繰り上げ出発(繰り上げスタート)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 22:28 UTC 版)
「東京箱根間往復大学駅伝競走」の記事における「繰り上げ出発(繰り上げスタート)」の解説
往路の鶴見・戸塚中継所については先頭走者から10分遅れたチーム、往路の平塚・小田原中継所については先頭走者から15分遅れたチーム、復路すべての中継所については先頭走者から20分遅れたチームは、交通規制の時間を長引かせないため、各中継所審判主任の裁定で、前走者が到着しなくても次の走者を出発させる(内規第19条)。これを「繰り上げ出発」という(報道などでは「繰り上げスタート」といわれている)。 繰り上げ出発を採用する他の駅伝と同様に、チームが繰り上げスタートとなった場合、走者は「繰り上げタスキ」と呼ばれるタスキをかける。箱根駅伝の場合、内規第16条第3項により、繰り上げ出発のチームは、2区から4区・7区から9区では、大会本部で用意する黄色と白色のストライプのタスキを使用することになる。そのため、それまで走っていた選手らにとっては、自らの学校のタスキが全区間つながらなかったという悔しさがにじみ出る瞬間であるといわれ、実際に日本テレビの放送では「無念の繰り上げ」という表現も使われる。同時に出場校はすべての中継所で繰り上げを回避するべく高い競技レベルを維持することが要求される。 繰り上げ出発が行われた場合、各チームが走行している順位(見かけ上の順位)と実際の順位が異なる場合を生じるため、チームの総合順位は見た目のタイムに繰り上げ分の時間差を加算して算出される。またテレビ中継における順位は、繰り上げ出発による時間差が換算された上で表示される。 これらの事情もあり、繰り上げ出発となったチームの場合、走行順で最初にゴールした場合でも繰り上げ分の時間差を加算すると総合優勝とならないケースがある。 2012年(第88回)大会の復路9区・鶴見中継所付近で神奈川大の9区走者・鈴木駿(当時3年)が残り中継所まで約100メートルの所で脱水症状のため転倒し、ふらふらになりながら繰り上げまでギリギリで10区走者・高橋俊光(当時4年)に襷を渡した。このシーンでは日本テレビの独自に計った時間と公式記録に差があったため、日本テレビではあたかも繰り上げスタートになったと報道したため、大きな話題を呼んだ。(公式記録は1位からちょうど20分差)
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