縞状鉄鉱床の成因Ⅱ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 08:50 UTC 版)
アルゴマ型の縞状鉄鉱床は、始生代のグリーンストーンベルトに見られることの多い、火山岩や火山砕屑物中に存在する縞状鉄鉱床である。スペリオル型よりも層厚や分布域は小規模(厚さ100メートル程度、面積は数10平方キロメートル以下が大半)であり、炭酸塩相と硫化物相の発達が顕著で一般に水平方向の相変化も激しい。縞状構造もスペリオル型よりも不明瞭である。カナダ楯状地のグリーンストーンベルトを研究した Goodwin (1973) などでは、アルゴマ型鉄鉱床の成因は火山活動による噴気と考えられている。アルゴマ型鉄鉱床では金の鉱化作用も見られているが、これは始生代の火成活動を示唆しており、見解と矛盾しない。 一方、アルゴマ型・スペリオル型共に、ユウロピウム量が強い正の異常を示すことや、ネオジム量がマントル物質(海嶺玄武岩)の値に近いことが報告されている。このことから、鉄やシリカの起源を火成活動ではなく熱水活動による噴出物に求める説も提唱されている。この見解では、始生代の中央海嶺などで、鉄分や珪酸塩、炭酸塩分が海水に供給され酸化と還元が行われて堆積し縞状鉄鉱が形成されたことになる。シアノバクテリアなどを含む全ての細菌の祖先は、熱水噴出孔から発生したのではないかと考えられており、スノーボールアース(全球凍結)の時代には、極低温の地球において深海底の熱水噴出孔だけに生き残った細菌が次の新しい生態系の元になったと考えられている。 氷河で削られた鉄鉱層の表面 縞状鉄鉱層下部のグリーンストーンベルトの火山岩 Wawaの縞状鉄鉱層 鉄珪酸塩相と厚い磁鉄鉱層 シャーマンマインの縞状鉄鉱 Hailey bury鉱山学校にあるシャーマンマインのBIF シャーマンマインのBIF拡大
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