緩速濾過池
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/05 23:32 UTC 版)
総面積92,600m2、水深2,500mm、標準ろ速4.000m/日で、甲群及び乙群が各々10池で20池である。うち3池を予備池としている。浄化機能は砂層と砂層表面に増殖した微生物群によって水中の不純物を捕捉のうえ酸化分解する作用に依存したものである。このため、濾過膜が出来るまでは、ろ速を1m/日程度として、濾過水中に細菌が100/mℓ以下、濁度が0.05度未満になるまで濾過排水を継続する養生を行う。濾過膜は概ね3~4日の養生で回復する。標準的な濾過継続日数は40日程度であるが、夏季は生物活性が高くなり、濾過膜が浮上することがあるため20日程度、冬季は珪藻類であるキンベラが発生するため、20~30日程度である。濾過を継続していくと、ろ高が上昇し濾過能力が低下する為、濾過水濁度、一般細菌数等が水質基準に近付いたり、損失水頭が一定値を超過した場合には、濾過を停止し、汚泥の蓄積した濾過池表面から1~2cm程度の砂層を削取機で回収し、洗砂機で洗浄のうえ再利用する。削取り作業を繰り返していくと、砂層が40cm程度になり規定層厚より薄くなるため、砂層の端に浄砂を入れ、打って返しを行う。ただし、ろ速を変化させる際は、濁質が漏洩しないよう濾過膜の養生を設け段階的に変化させなければならない。また、夏季に濾過継続日数を4週間以上とるとユスリカが発生するので注意する。
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