総会での議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/20 01:41 UTC 版)
「国際天文学連合による惑星の定義」の記事における「総会での議論」の解説
午後には総会で投票が行われた。惑星の定義は、科学の基礎的な問題であるため、総会の全ての出席者に投票権があった。投票時点での総会への出席登録者数は2411人だったが、決議6A(下記)への投票または棄権を行ったのは、数千人の中で424人だけだった。 IAUの役員会は総会に、それぞれ定義への議論の別の側面に関する4つの決議案を提案した。明確化のための細かな修正条項については、討議中であった。 決議5Aは、上述の定義そのものである。それまでの「占有的な天体」という表現の代わりに「近隣の他の天体を一掃」という表現を使うことが適切か否かについてと、衛星の定義の含意について、多くの議論が行われた。この決議は、最終的にほぼ全会一致で可決された。 決議5Bは、上記の定義の (1) と [1] の「惑星」という言葉の前に「古典的な」という言葉を追加する修正案である。これは、前述の3つの異なったカテゴリーとするか、「惑星」という言葉を前2つのカテゴリーに広げるかの選択である。この決議は、賛成が91者のみに留まり否決された。 決議6Aは、冥王星の地位に関し、「冥王星は前述の定義では準惑星であり、太陽系外縁天体の新しいカテゴリーのプロトタイプとして評価される」と述べるものである。文法について細かい指摘があり、また正確に何が太陽系外縁天体を構成するかについての質疑があった後、賛成237、反対157、棄権30で可決された。この結果、準惑星の新しいカテゴリーが確立され、2008年6月11日にIAU役員会で冥王星型天体 ("plutoid") と命名され、より狭い定義が決定された。 決議6Bは、決議6Aの最後に「このカテゴリーは、'plutonian objects'と呼ぶ。」という1文を追加する修正案である。質疑は行われず、この命名案は賛成186、反対183で否決され、再投票の提案の動議も拒否された。これを受け、IAUは新しいカテゴリーの名前を決める作業を始めた。 決議を文字通り読むと、「準惑星」は「惑星」の地位からは除外されている。しかし、名前に「惑星」と含まれていることが曖昧さの原因となっている。
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