統一見解の不在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 06:57 UTC 版)
複数のポルトガル語の著者のあいだにおいて、「saudade」の語源に関する統一された見解は存在しない。 ラテン語の孤独(solitate)にその起源を求める説がある。この説は19世紀半ばから現在までの多くの著者によって支持されているものの、根拠が弱い。1900年にアルマンド・コルテザオ(A. Cortesao)によって解明されたとする進化の仮説、すなわち「Solitate> suidade> soadade> suadade> sadade」は現在では、信用に値しないと考えられている。ラテン語起源の支持者の間でさえ、様々な形の時系列関係とそれぞれの意味については意見の相違が見られる。 1914年、C. Bastosはガリシア語、ポルトガル語間で単語saudadeは異なる扱いをされていると論じた。1922年、歴史学者のキャロライナ・ミカエリス・デ・ヴァスコンセリョス(スペイン語版)は、文学的な試論の中で、その起源をラテン語solitateの複数形の女性名詞solitatemに求めた。一方、ホセ・ルイス・ヴァレラは、solitatemにおける起源の不可能性について警告している。コロンビアの哲学教授ジョアキン・デ・カルヴァーヨ(スペイン語版)によれば、この単語は、saudadeをsoidadeに関連付けるラテン語の形容詞と副詞soluから派生している。ドイツの言語学者カール・ボスラー(スペイン語版)は、ヒポコンドリア、憂鬱、落胆、悪い心を意味するアラビア語の単語「サウダ(saudá)」との関連について言及している。彼はまた「柔らかい」を意味する単語「suave(ラテン語でsuavis)」からの影響についても語っている。
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