そしき‐かじゅうけいすう〔‐カヂユウケイスウ〕【組織荷重係数】
組織加重係数(tissue weighting factor)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 14:40 UTC 版)
「実効線量」の記事における「組織加重係数(tissue weighting factor)」の解説
組織加重係数とは、各組織・臓器における放射線の影響度(放射線感受性)の指標となる係数であり、各組織・臓器がどれだけ放射線の影響を受けやすいかという度合いである。 国際放射線防護委員会(ICRP)がこれまでに勧告した各組織・臓器の組織加重係数は下表の通り。なお、各個人の組織・臓器の係数の和は1であり、現行の国内法は1990年勧告の組織加重係数を元にしている。 組織加重係数組織・臓器組織加重係数ICRP103 (2007年)ICRP60 (1990年)ICRP26 (1977年)生殖腺0.08 0.20 0.25 赤色骨髄0.12 0.12 0.12 肺0.12 0.12 0.12 結腸0.12 0.12 項目なし 胃0.12 0.12 項目なし 乳房0.12 0.05 0.15 甲状腺0.04 0.05 0.03 肝臓0.04 0.05 項目なし 食道0.04 0.05 項目なし 膀胱0.04 0.05 項目なし 骨表面0.01 0.01 0.03 皮膚0.01 0.01 項目なし 唾液腺0.01 項目なし 項目なし 脳0.01 項目なし 項目なし 残りの組織・臓器0.12 0.05 0.30 係数合計1.00 1.00 1.00 ここで注意が必要なのは、等価線量も実効線量も同じシーベルト(Sv)の単位で表しているために混同しがちであることである。例えば、被曝が皮膚のみで、その被曝量が100mSv(等価線量)である場合、実効線量は、皮膚の組織加重係数(0.01)をかけて、1mSvとなる。このように局所被爆の場合、実効線量は等価線量よりも低い値となる。被曝しきい値などの記述で実効線量と等価線量が併記されている場合は、それぞれどちらの線量を示しているのか確認する必要がある。
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