内部被曝による実効線量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 14:40 UTC 版)
内部被曝による被曝は長期にわたるため、生涯の健康リスクを評価するには預託実効線量(committed effective dose)を用いる。 体内に入った放射性物質は、人体の代謝排泄機能か放射性崩壊によって放射能が減衰するまでは、体内で放射線を放出し続ける。体内に長く滞留する放射性同位元素の場合、被曝が長い期間に及ぶのが特徴であるが、被曝が数年から数十年に及ぶ場合、実際の被曝を年ごとに評価するのは現実的ではない。 そこで、将来受ける線量を前もって評価するため、放射性物質を摂取した時点に遡りその放射性物質が体内に残留している間の累積線量を各臓器に対して評価する。預託実効線量は預託等価線量と組織加重係数の積の和と定義される。線量の累積計算をする期間は明記されなければ、成人で50年間、子供や乳幼児は摂取した年齢から70歳までの期間が用いられ、放射される線量率を時間積分した値となる。 日本では科学技術庁告示により摂取量から内部被曝実効線量を算出するための実効線量係数が定められている。同じ放射性元素でも化学形態によって被曝量は異なり、また吸入か経口摂取かの違いでも異なってくる、等で換算係数には大きく幅がある。
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