実効線量とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 自然科学 > 物理学 > 線量 > 実効線量の意味・解説 

実効線量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/13 08:55 UTC 版)

実効線量
effective dose
量記号
次元
SI単位 シーベルト
テンプレートを表示

実効線量(じっこうせんりょう、: effective dose)とは、放射線被曝による個人の確率的影響(がん、遺伝的影響)のリスクの程度を表す線量概念である[注釈 1]。各臓器の受けた放射線の等価線量にその臓器の組織加重係数[注釈 2]を掛けた値の総和量として定義される[3]。単位はシーベルト(記号:Sv)が用いられる。

等価線量が各組織・臓器の局所的な被曝線量を表すための線量概念であるのに対して、実効線量は被曝の形態に関わらず個人の生物学的リスクの尺度となる線量概念である[注釈 3]

概要

放射線障害の確率的影響のリスク(発生確率)は、放射線被曝を受けた人体の組織・臓器の等価線量だけでなく、その組織・臓器の種類に依存する[注釈 4]。そこで、等価線量のように吸収線量に放射線加重係数を掛け合わせることで放射線の生物影響を平準化したのと同様に、各臓器の等価線量にその臓器に対応した組織加重係数(tissue weighting factor)を掛け合わせて、すべての臓器について足し合わせたもの(臓器の違いによる放射線感受性の違いを平準化して一つにまとめた線量)を実効線量(effective dose)と呼ぶ。 実効線量を用いることにより、例えばラドンの吸引などによる肺だけの内部被曝と、宇宙線などからの全身被曝を足し合わせすることができるようになる。つまりは、内部被曝や外部被曝という異なる形式の被曝を、1つの値でその被曝の程度を表現できる点が特徴である[5]

なお、組織加重係数は、確率的影響(ガン及び遺伝的影響)に対する各臓器・組織の相対的な放射線感受性の程度を表したものであり、確定的影響についてはあまり考慮されていない[注釈 5]。したがって、実効線量で問題としているリスクとはあくまで確率的影響のリスクのみである[注釈 6]

定義

実効線量(effective dose)E は、人体の臓器 T の等価線量を HT、組織加重係数を wT とするとき、

(実効線量 [Sv]) E =  カテゴリ

  • コモンズ




  • 実効線量と同じ種類の言葉

    このページでは「ウィキペディア」から実効線量を検索した結果を表示しています。
    Weblioに収録されているすべての辞書から実効線量を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
     全ての辞書から実効線量 を検索

    英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
    英語⇒日本語日本語⇒英語
      

    辞書ショートカット

    すべての辞書の索引

    「実効線量」の関連用語

    実効線量のお隣キーワード
    検索ランキング

       

    英語⇒日本語
    日本語⇒英語
       



    実効線量のページの著作権
    Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

       
    ウィキペディアウィキペディア
    All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
    この記事は、ウィキペディアの実効線量 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

    ©2025 GRAS Group, Inc.RSS