組織化されていない複雑性と組織化された複雑性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/25 14:40 UTC 版)
「複雑性」の記事における「組織化されていない複雑性と組織化された複雑性」の解説
複雑性に関連した問題の1つは、無作為に選んだ事物の関係の豊富なバリエーションとシステム内の要素間の関係の概念的な区別である。システムには制約があり、要素のバリエーションも減少すると同時に、より一様または相関する関係や相互作用の識別可能な型 (regimes) を生成する。 ウィーバーはこの問題に気づいており、少なくとも予備的な方法でそれに対処した。それが「組織化されていない複雑性」と「組織化された複雑性」の区別である。 ウィーバーの観点では、組織化されていない複雑性は非常に多数の部品(例えば数百万やそれ以上の部品)を持つシステムから生じる。「組織化されていない複雑性」における部品間の相互作用は大部分が無作為に見えるが、システム全体の特性は確率論や統計学的手法により理解できる。 組織化されていない複雑性の好例として、コンテナに詰めたガスがある。この場合ガスの分子がシステムの部品に相当する。 ウィーバーの観点では、組織化された複雑性では部品間の相互作用は全く無作為的ではなく相関している。これらの非無作為的かつ相関的な関係は明確に区別される構造を生成し、それがシステムと呼ばれ、他のシステムと相互作用する。調整されたシステムは個々の部品にはない特性を明確に示す。主体的なシステム以外のシステムでこのような組織化された複雑性がある場合、何らかの「導きの手 (guiding hand)」が無いなら「創発」と言う事ができる。 システムが創発的特性を示すかどうかという点に、部品数はあまり重要ではない。組織化された複雑性のシステムがどのような特性を示すかは、モデリングとシミュレーション、特にコンピュータを使ったモデリングやシミュレーションで理解できる場合もある。組織化された複雑性の例としては、都市近郊の生活のメカニズムがある。この場合、システムの部品に相当するのは近郊に住む人々である。
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