精神療法における投影性同一視
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/04 21:02 UTC 版)
「投影性同一視」の記事における「精神療法における投影性同一視」の解説
また一方、転移・逆転移と同様に、投影性同一視は個人間の混乱の起源としてだけではなく、治療上の理解への潜在的キーとしても機能しうる。事実として精神力動的な研究では年月を経て次第に広範に認められるようになってきている。 従って例えば交流分析では、投影性同一視は「ある人の『大人』が閉鎖される時に催眠導入力を持つ」と見られうるが、投影者の筋書きによるドラマに受容者を引き入れることで、同じプロセスが等しく「もしセラピストの『大人』が損なわれてないならば非常に有用な情報を提供する」。 対象関係論でも同様に、投影性同一視が「感情的コミュニケーションの一形式として使われている」ように見えるので、「投影性同一視は処理できない感情を無意識に取り除こうとするかもしれないが、感情を手助けする働きもする」ということを受け入れるようになった。結果として、「患者自身の望まぬ相貌、著しくネガティヴな相貌の相当長い期間にわたる投影性同一視の容認と閉じ込め」に対するセラピストの受容能力は有価値で本質的な治療資源であると考えられている。
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