精神的および宗教的な使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:29 UTC 版)
詳細は「エンセオジェン」を参照 一部の宗教、特に民族宗教の中には、エンセオジェン(entheogens)と呼ばれる薬物の使用に完全に基づいているものがあり、ほとんどは、サイケデリックス、解離性麻酔薬、せん妄発生薬などの幻覚剤である。エンセオジェンとして使用される薬物には、興奮剤、鎮静薬、多幸化薬、麻酔薬として作用するカヴァがある。カヴァ植物の根を使って作られた飲料は、太平洋の文化圏で飲まれている。 異文化の一部のシャーマンは、宗教的なエクスタシーを達成するために、「内なる神を生み出す」と定義されるエンセオジェンを使用している。アマゾンのシャーマンは、この目的のために幻覚剤であるアヤワスカ(yagé)を使用する。マサテコ族のシャーマンは、向精神作用の植物であるサルビア・ディビノラムを宗教的に用いる長い伝統を持っている。この植物はスピリチュアルヒーリング(霊的療法)の場で、幻視的な意識状態を促進するために使用される。 シレネ・カペンシス(英語版)は、コサ族では神聖な植物とされており、エンセオジェンとして使用されている。その根は伝統的にシャーマンの導入プロセスにおいて、鮮明な(コサ族によれば予言的な)明晰夢を誘発するために使用されている。この植物は、よく知られているドリームハーブのカレア・テルニフォリア(英語版)に似た、天然起源のオネイロゲン(英語版)に分類される。 小さな棘のないサボテンのペヨーテは、幻覚性をもつメスカリンの主な原料であり、おそらくは5000年前からアメリカ先住民によって使用されてきた。現在、ほとんどのメスカリンは、不安定なペヨーテからではなく、特にサン・ペドロ(英語版)など数種の柱サボテンから採取されている。 また、エンセオジェニックな大麻使用(英語版)も何世紀にもわたって広く行われてきた。ラスタファリ運動では、宗教的儀式の聖餐としてマリファナ(ガンジャ)を使用する。 一般にマジックマッシュルームやシュルームと呼ばれる幻覚性マッシュルーム(シロシビンマッシュルーム)は、長い間エンセオジェンとして使用されている。
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