精度と安定性の条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 14:31 UTC 版)
「Particle-in-Cell法」の記事における「精度と安定性の条件」の解説
他のシミュレーション手法と同様に、PIC法でも時間ステップと格子サイズの幅を適切に選択する必要がある。これらは、興味のある現象が時間と長さのスケールで適切に解かれるようにするだけでなく、コードの処理速度と精度にも影響する。 陽的時間積分スキーム (例えば、広く普及しているリープフロッグ法等) を使用した静電プラズマシミュレーションに対しては、解の安定性を確保するために、時刻ステップ幅 Δ t {\displaystyle \Delta t} および格子サイズ幅 Δ x {\displaystyle \Delta x} について、次の2つの重要な条件を満たす必要がある。 Δ x < 3.4 λ D {\displaystyle \Delta x<3.4\,\lambda _{D}} Δ t ≤ 2 ω p e − 1 {\displaystyle \Delta t\leq 2\,\omega _{pe}^{-1}} これらの条件は、非磁化の1次元プラズマ調和振動を考えると導かれる。後者の条件は厳密に満たされる必要があり、シミュレーションを実施する上では、エネルギーを保存させる目的でより厳しい制約が要求される。そこで係数2の部分は1桁小さい数値に置き換えられ、一般的には Δ t ≤ 0.1 ω p e − 1 {\displaystyle \Delta t\leq 0.1\,\omega _{pe}^{-1}} が使用される。このように、プラズマの自然な時間スケールは逆プラズマ周波数 ω p e − 1 {\displaystyle \omega _{pe}^{-1}} によって、長さスケールはデバイ長 λ D {\displaystyle \lambda _{D}} によって与えられる。 また、陽的な電磁プラズマシミュレーションでは、時間ステップ幅はCFL条件も満たす必要がある。 Δ t < Δ x / c {\displaystyle \Delta t<\Delta x/c} ここで、 Δ x ∼ λ D {\displaystyle \Delta x\sim \lambda _{D}} であり、 c {\displaystyle c} は光速である。
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