箱火鉢、長火鉢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:28 UTC 版)
箱火鉢とは、銅製のおとし(炉)を、木製の化粧板の箱の中に収めた箱型の火鉢。また長火鉢は、箱火鉢に付属の引出しをつけ、物入れ兼用にした横長の火鉢。 右画像は関東火鉢、或いは江戸長火鉢と呼ばれる。火鉢部分の右横に猫板とよばれるスペースがある。猫板の下に2~3段の引出しが付き、火鉢の下にも横に2つ引出しが並ぶのが一般的。引出しは乾燥するので茶筒、煎餅や海苔など湿気を嫌うものを入れる事が多い。材質は桜や桐、また欅がその堅さゆえ多く使用されており、上部の縁に黒柿(柿の木数百本の1本の割合で存在)を使用したものが特に珍重された。欅材は玉杢と呼ばれる杢目の多さでその価値が決まったとされる。引き出し面の反対側に客人を座らせることから、関東火鉢は引き出し面の反対側を表側とする。表面にはその時最も良いとされる杢目の板を使うのが江戸指物師の心意気、また持ち主は念入りに布巾をかけ、光らせるのが粋だった。関西の長火鉢は上部にテーブルのような張り出しがあるのが特徴。
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