第1段機体 LE-9エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 03:04 UTC 版)
「H3ロケット」の記事における「第1段機体 LE-9エンジン」の解説
「LE-9」も参照 アルミニウム合金製の第1段と第2段機体の材質、液体酸素と液体水素を使用する液体燃料エンジンという基本的な構造はH-IIA/Bと共通となる。第1段には新開発のエキスパンダーブリードサイクルのLE-9エンジンを2基または3基使用することで、二段燃焼サイクルのLE-7Aエンジンを使用していたH-IIA/Bと比べて打ち上げ時の安全性を抜本的に向上させると同時にエンジン1基当たりの費用を低減させる。エキスパンダーブリードサイクルエンジンは構造が単純なため安価で安全性が高いが、ターボポンプの駆動エネルギーを燃焼室からの吸熱に頼るという物理的制約から大推力を生成することが難しく、専ら第2段用エンジンとして実用化されてきた。LE-9エンジンは150tfという大推力で世界初の第1段用エキスパンダーブリードサイクルエンジンとなるため、H3ロケットにおける最も挑戦的な開発要素となる。LE-9の部品点数はLE-7Aより20%少ない。また、H-IIAでは輸入だった第1段推進剤タンクドーム(両端の半球形状の部分)をH-IIBと同じく国産化して費用を削減する。(UACJにて製造・提供予定) 2018年から2020年にかけて行われた燃焼試験において、液体水素ターボポンプのタービン動翼に共振による破断と、燃焼室内壁に高熱による孔穿が確認されたため、設計が見直されて開発中であり、打ち上げが2度にわたって延期され2022年以降に試験1号機を打ち上げることになった。(開発の詳細はLE-9を参照)
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