第1世代グラブス触媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/12 04:57 UTC 版)
「グラブス触媒」の記事における「第1世代グラブス触媒」の解説
1995年に報告されたベンジリデンカルベン配位子と2つのトリシクロヘキシルホスフィン配位子を持つ錯体が第1世代グラブス触媒と呼ばれる。場合によっては、1992年に報告された触媒も含めて第1世代と呼ばれることもあるが、あまり一般的ではない。この錯体は RuCl2(PPh3)3 とフェニルジアゾメタン、トリシクロヘキシルホスフィンから容易に合成でき、良好な収率で得ることが可能である。また、既に市販もされている。一般に取り扱い容易であると言われているが、確かに錯体化学者の立場から見ると十分に安定であり、取り扱うにあたり特に注意を払う必要性はない。しかしながら有機化学者の立場から見ると注意を要する。実際、次に述べる第2世代グラブス触媒に比較すると酸素や水に対する感受性が高い。純度の高いものはくすみのない紫がかったピンク色の固体であり、経時変化により茶色がかってくる。販売メーカーによっては購入した時点で既に茶色の固体となっているケースがあるが、色の変化による活性の違いについて検討された例は知られていない。
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