第一次脈動の発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/08 08:55 UTC 版)
「地震学における脈動」の記事における「第一次脈動の発生」の解説
最初に一次脈動のメカニズムについて詳細を発表したのはクラウス ハッセルマン(英:Klaus Hasselmann)である。初期の説は一定の傾斜を与えた模式的な説明を用いた単純な脈動の発生源の提唱であったとされる。しかし実際に観測される地震の脈動を観測するにはこの勾配を5%以上に大きくする必要があり、現実的とは言えない。一方小規模な海底地形においての脈動の励起を考えるときはそれほど急勾配である必要はなく、特定のケースに絞って海底面においての波動の相互関係の調査に限定できる。誤差を無視すれば表層部を伝搬していく表面波を視覚的に単純な正弦波で表すことができ、水深に伴う振動波を簡潔に一般化できるという利点がある。 Fig.1 海底の地形と海波の干渉による波の発生。ここで、周期12秒の波は平均水深100 m、波長205 m、振幅20 mの海底を伝わる波と相互的に作用する。この条件は実際の海洋波よりははるかに速い設定である。波長L 1が海底の波長L 2より短い場合は波の方向に伝わり、反対であればこの図が示すような伝搬の仕方をする。大きな波は 1 ( 1 / L 1 − 1 / L 2 ) {\displaystyle {\rm {\frac {1}{(1/L_{1}-1/L_{2})}}}} と表せる。 しかしながら実際の海底では幅広い周期の波が全方向に向かって伝搬していくため、かねてより脈動研究者の目標である脈動及び波の発生源は地震に比べ格段に特定しにくい種類の波であることが言える。
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