立方晶相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/18 08:07 UTC 版)
「タングステン酸ジルコニウム」の記事における「立方晶相」の解説
立方晶タングステン酸ジルコニウム (α-ZrW2O8) は、いくつか知られているタングステン酸ジルコニウムの相の一つで、おそらく負の熱膨張材料としては最も研究の進んでいる物質の一つである。この物質は、それまでに類を見ないほど広い、 6999300000000000000♠0.3 K から熱分解点である 7003105000000000000♠1050 K までの温度範囲で連続的に収縮する。後述の通り立方晶構造をもつため、熱収縮は等方的、すなわちどの方向も同じ比率で収縮する。この物質がなぜこのように際立った負の熱膨張を示すのかについては、未だ多くの研究が続けられている。 この相は室温では、二元酸化物である ZrO2 と WO3 に対して熱力学的に不安定(英語版)だが、これら二つの酸化物を量論比で混合しおよそ 7002900000000000000♠900 °C まで熱したのちに室温まで急冷することにより合成することができる。 立方晶タングステン酸ジルコニウムの構造は頂点共有する ZrO6 八面体と WO4 四面体を構造単位とする。その珍しい熱膨張特性は、剛体単位モード(英語版) (RUM) と呼ばれる、多面体構造単位の連成回転を伴う振動モードが収縮を引き起こすことに由来すると考えられている。
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