科学的な鑑定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 05:52 UTC 版)
「馬場大門のケヤキ並木」の記事における「科学的な鑑定」の解説
1982年1月、当時一番の古木とみられていた立ち枯れのケヤキを伐採し、1982年3月にかけて東京農工大学の中村克哉らが標本の永久保存処理とともに樹齢の鑑定を行った。この古木は前述の源頼義・義家の寄進と伝わるケヤキであり、大国魂神社の御神木の一つである。古木の太さ(周囲)の記録をひもとくと1815年に6.4 m、1913年に8.3 m、1942年に9.1 mであった。1942年以降は枯死しやせ細ったため、伐採された1982年には太さ6.0 mになっていた。古木の内部には腐朽による大規模な空洞が発生し、年輪の数え上げだけでは正確な樹齢を鑑定できない状態であった。 樹齢の推定はこの古木の残存部分により行われた。中村らは材が半径方向に厚さ56 cmと一番多く残っていた部位「第1の測定部位」と材が半径方向に厚さ「18 cm + 隙間 + 22 cm + 隙間 + 8 cm」の寸法で二番目に多く残っていた部位「第2の測定部位」の年輪を数え、樹齢を推定した。結果、第1の測定部位からは480年、第2の測定部位からは689年という推定樹齢を得た。以上の結果から中村らはこの立ち枯れのケヤキの樹齢を600年以上と推定している。また、ケヤキは長い樹齢の中で生長不良を起こす可能性があり、生長不良を考慮すればこの古木の樹齢は900年以上としても差し支えないと意見している。
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