秋の組香
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 00:11 UTC 版)
菊合香(きくあわせこう)は、秋に行われる組香の一つである。 証歌は「秋風のふき上げに立てる白菊は花かあらぬか波のよするか」(『古今和歌集』所載、菅原道真)であり、秋風の吹く吹上の浜に立っている白菊は、花なのか、それとも波が寄せているのか見間違えるほどだという歌の意味を組香のルールに取り込むことで、組香に情景を取り込んでいる。 2種類の香(秋風4包内1包試、白菊3包無試)を用意する。 秋風を焚き出し、香りを覚える。 秋風3包、白菊3包を打ち交ぜて、2包を抜き、残りの4包を焚き出す。こうすると、残る香が秋風1包と白菊3包、秋風2包と白菊2包、秋風3包と白菊1包という出方がありえるが、これは、歌にあるように「花なのか、風によって作られる波なのかを見間違える」という点に取材し、客が、花と波のどちらであるかを判断するかを楽しむまた、情趣を感じられるように和歌を取り込んでいることがよくわかる。 客は、秋風、白菊の出を、記紙に記して提出する。 執筆は客の回答にのっとり、記録紙の客の回答の下に、客の回答が菊多ければ「菊」、同数なら「花」、風多ければ「波」と記す。これも、花が多ければ菊と見た、風が多ければ波と見たというように歌に重ねている。
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