私道の設置目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 09:59 UTC 版)
私道を設置する目的としては、 民間資本が有料道路として整備し、通行料収入で営利を得る 民地内で通行させるエリアを指定するために整備する(民地内通路) 建築基準法の認定を受けるために公衆用道路とみなして整備する が挙げられる。 営利を目的に、民間資本を投資して建設された有料道路の例としては箱根ターンパイク(神奈川県・箱根ターンパイク株式会社)、比叡山ドライブウェイ(滋賀県・比叡山自動車道株式会社)、信貴生駒スカイライン(大阪府/奈良県・近畿日本鉄道株式会社)などがある。 鋸山登山自動車道(千葉県・鋸山開発株式会社)は個人私有地の中に建設された道路であり、民地内通路の例を兼ねているとも言える。いずれの場合も通行時間(=道路の営業時間)が制限されていることが多く、夜間(場所によっては冬季なども)通行止めとなっていることが多い。 特殊な例として、旧国鉄白棚線(福島県)や旧国鉄五新線(奈良県)などの、鉄道敷跡(または未成線)を転用したバス専用道路もこの範疇に含まれると言えよう。いずれの場合も道路運送法第2条第8項に規定されている自動車道であり、道路交通法、道路運送車両法の適用対象となり、運転免許証がないと運転することはできない上、同法の違反者には罰則が科せられる。 民地内通路の例としては、工場や鉱山等の構内道路(資材運搬路)、公園やテーマパーク内の園路などが挙げられる。一般車両の通行そのものが制限されており、道路交通法の適用を受けない。 これの特殊な例として、宇部興産専用道路(山口県)や東洋大橋(広島県)がある。これは同じ会社(宇部興産専用道路は宇部興産、東洋大橋はマツダ)の離れた2工場間を結ぶ自社専用道路であるが、道路を自動車道とみなさず、工場構内等と同じ扱いとすることで道路運送法の適用を受けず、道路運送車両法規格外の超大型トレーラーなどによる資材運搬を行っている。 なお、私道であり公道との出入りを遮断している場合であれば、民地内通路とみなされ道路交通法が適用されないので、各都道府県公安委員会の交付する運転免許証を所持していない者や、ナンバープレートを装着或いは隠している状態で、自動車(自動二輪車を含む)および原動機付自転車を運転しても法律違反ではない。自動車教習所やサーキットは、この点を活用した施設である。 「道路#日本の法律上の定義」も参照
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