福島県立いわき支援学校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/23 03:42 UTC 版)
福島県立いわき支援学校 | |
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過去の名称 | 福島県立いわき養護学校 |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | ![]() |
理念 | 児童生徒一人一人の能力・特性に応じ、自立と社会参加を目指して、生きる力を育み、社会の変化に主体的に対応できる人間を育てる[1] |
校訓 | 自ら考え学ぶ人、心ゆたかな人、じょうぶな人[1] |
設立年月日 | 1983年(昭和58年)4月1日[1][2] |
共学・別学 | 男女共学 |
分校 | 福島県立いわき支援学校くぼた校[1][2][3] |
特別支援学校コード | 79985[4] |
所在地 | 〒970-8028 福島県いわき市平上神谷字石ノ町13-1[2] |
外部リンク | 公式サイト |
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福島県立いわき支援学校くぼた校 | |
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過去の名称 | 福島県立いわき養護学校くぼた校 |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | ![]() |
設立年月日 | 2015年(平成27年)4月1日[1][2] |
共学・別学 | 男女共学 |
本校 | 福島県立いわき支援学校[1][2][3] |
特別支援学校コード | 79985[4] |
所在地 | 〒979-0141 福島県いわき市勿来町窪田町通2-1[3] 福島県立勿来高等学校内[1][2] |
外部リンク | 公式サイト |
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福島県立いわき支援学校(ふくしまけんりつ いわきしえんがっこう)は、福島県いわき市に所在する県立特別支援学校[1][2]。
いわき市平地区に立地し、知的障害を持つ児童・生徒を対象として、1983年(昭和58年)4月に小学部と中学部を備えた福島県立いわき養護学校(ふくしまけんりつ いわきようごがっこう)として開校[1][2]。1991年(平成3年)4月に高等部を新設し[1][2]、障害特性や発達特性に応じた一貫的障害児教育を実施している[1][2]。2022年(令和4年)4月には創立40周年を迎えた[1][2]。
また2015年(平成27年)4月には、いわき市勿来地区に立地する福島県立勿来高等学校の空き教室を利用する形で[5]、同校高等部の分校として福島県立いわき養護学校くぼた校(ふくしまけんりつ いわきようごがっこうくぼたこう)[3]を新設[1][2]した。これは東北地方では初の特別支援学校の高等部分校[1][2]であった。条例改正により[1]、2017年(平成29年)4月1日付で現校名の福島県立いわき支援学校へ校名変更[1][2]。同時にくぼた校も、福島県立いわき支援学校くぼた校(ふくしまけんりつ いわきしえんがっこうくぼたこう)[3]へ校名変更[1]した。
概要
本校の児童生徒は全員がいわき市内から通学する[6]。2025年度時点での生徒数は269名で、内訳は、小学部117名、中学部67名、高等部85名[6]。
共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育を担う学校として「地域で共に学び、共に生きる教育」を目指し、障害児が就学前から在学中を経て卒業後も地域で一貫した支援を受けるため、地域の福祉・保健・医療・労働関係の公共機関や、地域住民との連携を重視している[6]。また障害児の自立と社会参加に向けたキャリア形成を目指した教育支援を行い、児童生徒が「将来の社会で豊かな未来を切り開ける学校づくり」を教職員が取り組むことを掲げている[6]。
その一環として、障害児教育に関する支援を行う「地域支援センターかぜくも」を運営し、地域の知的障害をもつ未就学児とその保護者を対象とした療育や学習会、未就学児や同校在校生を対象とした相談事業などを実施している[7]。
小学部では、地域の小学校と交流し共に学習する「居住地校交流」を実施している[8]。これは特別支援学校の生徒にとっては、将来の生活基盤となる地域での自立と社会参加について体験する行事であり、また小学校の生徒にとっては障害児との交流を通して、共に助け合い支え合うことの大切さを学ぶことで、地域で共に学び共に生きる共生社会の醸成を図るものである[8]。いわき市内平地区の市立小学校(いわき市立平第六小学校など10数校から20数校)との「居住地校交流」が継続的に行われている[8]。
卒業後の進路指導にも注力しており[9]、中学部では校外学習として、2年生で「事業所見学」、3年生の夏休み後に「現場実習」を実施しており、生徒らの進路の一つとして福祉作業所や生活介護事業所などの見学と作業体験を行っている[10]。高等部では「産業現場等における実習」を実施し、卒業後の障害者雇用(企業の特例子会社など)や一般企業への就職、就労継続支援事業所、生活介護事業所などでの就労に向けた取り組みを強化している[11]。
制服は、小学部は私服、中学部と高等部にはブレザータイプの「標準服」が定められており、「標準服が着用できない場合は担任へ相談する」こととされている[12]。また学校指定の体操服がある(小学部を含む)。通学靴やカバンは指定がないが、校則により「通学用の靴は派手でない運動靴または革靴」「カバンは華美でない実用的なもの」と定められている[12]。
卒業生の同窓会として、いわき支援学校同窓生の会「あすなろ」が設置されている[13]。
教育目標
教育目標として「児童生徒一人一人の能力・特性に応じ、自立と社会参加を目指して、生きる力を育み、社会の変化に主体的に対応できる人間を育てる」ことを掲げる[1]。また目指す児童生徒像として「自ら考え学ぶ人、心ゆたかな人、じょうぶな人」を掲げ、自らの「体の命」と「心の命」を守り育むことを目標として掲げる[1]。
小中高等学部ごとに「学部目標」が定められており、いずれも、1. 学習意欲、2. 人間関係の構築、3. 健康と体力向上、の3本柱から成り、学部が上がるにつれてより高度な目標を身に着けられるよう指導している[8][10][11]。
- 小学部の学部目標[8]
- 楽しく学ぶ子ども
- 自ら興味・関心をもって取り組む力や自分から思いを伝える力を育む。
- なかよくできる子ども
- 友達や教師と楽しくかかわることのできる力を育む。
- 元気な子ども
- 基礎的な体の動きを身に付け、楽しく運動や生活に取り組む力を育む。
- 中学部の学部目標[10]
- 進んで学習する生徒
- 自ら考えて行動し、意欲的に取り組むことのできる力を育む。
- 素直で思いやりのある生徒
- 友達と協力し、助け合うことのできる力を育む。
- たくましく元気な生徒
- 体力の維持・向上や自分の目標に向かって、継続して取り組む力を育む。
- 高等部の学部目標[11]
- 自ら考え、学習できる生徒
- 自ら知識・技能を活用して課題を解決していくことのできる力を育む。
- 自分のよさに気付き、相手を思いやる生徒
- 他者を尊重し、自分らしく生きることのできる力を育む。
- 心身ともに健康な生徒
- 自己の健康に関する課題を解決していくことのできる力を育む。
教室不足と支援学校新設計画
福島県教育委員会は2025年2月、当校の生徒増加に対応し、敷地内に仮設校舎を整備すること[5]、さらに市南部地区から長時間かけて通学する生徒の負担を減らすべく、特別支援学校の新設を検討することを発表[5]した。
県教育委員会によれば、国の基準に対し、1学級当たりの生徒数が小中学部は6人、高等部は8人と定められているが、文部科学省が2024年度に行った調査では、本校では8教室が不足しており、利用頻度の低い特別教室を転用して教室に充てていた[5]。そのため、仮設校舎の建設により学習環境を整備した上で、将来的には特別支援学校の新設を検討する[5]こととした。
周辺
- 放課後等デイサービス コーシュリー[14]
- 住善寺 - 浄土宗の寺院[15]。市指定保存樹木(No.70、1980年9月1日指定)のシダレザクラが境内にあり、いわき市公式観光案内サイトにも桜の名所として紹介されている[16]。
- かべや保育園[17]
- いわき回廊美術館[18][19]
交通アクセス
いわき市内の特別支援学校
本校を含め、いわき市内に所在する特別支援学校(分校も含む)は以下のとおり[4]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 学校紹介 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n トップページ 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e 福島県立いわき支援学校くぼた校
- ^ a b c 令和7年度 福島県特別支援学校一覧 福島県、2025年4月1日、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e いわき支援学校 増加傾向で仮設校舎整備 南部地区への設置も検討 いわき民報、2025年2月26日、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c d 学校長あいさつ 福島県立いわき支援学校、2025年4月16日、2025年8月23日閲覧。
- ^ 地域支援センターかぜくも 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e 小学部 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ 進路指導 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c 中学部 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b c 高等部 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ a b 生徒心得 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ 同窓会あすなろ会員の皆様へ 福島県立いわき支援学校、2025年8月23日閲覧。
- ^ 放課後等デイサービス コーシュリー 2025年8月23日閲覧。
- ^ 寺院を検索する - 福島県いわき市 - 住善寺 浄土宗寺院紹介ナビ、浄土宗、2025年8月23日閲覧。
- ^ 住善寺 じゅうぜんじ いわき市観光サイト、一般社団法人いわき観光まちづくりビューロー、2025年8月23日閲覧。
- ^ 社会福祉法人 かべや保育園 2025年8月23日閲覧。
- ^ いわき回廊美術館 いわき市観光サイト、一般社団法人いわき観光まちづくりビューロー、2025年8月23日閲覧。
- ^ いわき回廊美術館 ふくしまの旅 福島観光情報サイト、公益財団法人福島県観光物産交流協会、2025年8月23日閲覧。
- ^ バス路線案内 BUS MAP 浜通り版 2025年4月版 福島県バス協会、2025年4月、2025年8月23日閲覧。
- ^ 時刻表検索 - いわき支援学校 新常磐交通、2025年8月23日閲覧。
- ^ 福島県立聴覚支援学校 2025年8月23日閲覧。
- ^ 福島県立聴覚支援学校平校 2025年8月23日閲覧。
- ^ 学校概要 沿革 福島県立聴覚支援学校平校、2025年8月23日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 福島県立いわき支援学校
- 福島県立いわき支援学校 (iwakish-shs.note.jp) - note
- 福島県立いわき支援学校くぼた校
- 令和7年度 福島県特別支援学校一覧 - 福島県
- 福島県立いわき支援学校のページへのリンク