磯メガネの移り変わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 15:15 UTC 版)
鼻出し二つメガネ(明治20年代から明治末頃) 最初の磯メガネは、真鍮や錫(すず)で作られ、左右の目をそれぞれ被い、鼻を出すタイプ(ゴーグルのような形)。 この形式は水圧で目が圧迫され痛みがあり、それでも海底で見えすぎて目が回ると言われていた。貝を多く採り過ぎてしまう為、磯メガネの使用を禁止する漁村もいくらかあった。 袋つき二つメガネ(明治末期頃) 鼻だしメガネの欠点であった水圧で目が圧迫されるのを防ぐために、メガネ枠の外側に空気袋をつけて水圧を調整できる形式の磯メガネが使用された。革の空気袋を外側に付けた形式のメガネもあった。 鼻出し一つメガネ(大正時代) 鼻を外に出し、両目を一括して被うタイプ。当時の磯メガネは、真鍮やスズで作られているために、水圧で金属が顔に押し付けられ痛みがあった。 水圧を調整するために、メガネの端に革袋で被ったゴムの空気袋を付け、ゴム管より空気を吹き込む。 水圧の調整は空気袋の容量による制限があり、さらに深い場所へ潜ることすらできなかった。 ゴム製鼻隠し一つメガネ(城山式) 鼻隠し一つメガネ 真鍮製の鼻隠し一つメガネは、大正末期から昭和初期まで使用され、現在は一般的に両目を一緒に被う「スイムマスク」と呼ばれるタイプの磯メガネが使用されている。 昭和10年代になるとゴム製の鼻隠し一つメガネが登場し、顔への負担の少なく、顔にフィットするようになった。 現在は、老眼や近眼タイプの磯メガネもある。 鼻隠し一つメガネは、メガネ内の空気圧を自分の肺呼吸により調整できる為、さらに深い場所に潜ることができるようになった。
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