砂入り人工芝コート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 01:56 UTC 版)
日本とオーストラリア(2000年代以降協会の指導もありその数を減らしている)、ニュージーランドにおいて広く普及しているコート。その他の地域ではかなり稀なサーフェスである。住友ゴム工業/住友ゴム産業のオムニ・コートの他に、東亜道路のスパックサンド、三菱化成のダイヤアリーナ、東京ウエルネスのカルナ21、大嘉産業のバイオターフ、積水樹脂のサンドグラスなどがある。人工芝に砂をまき、適度に摩擦を軽減している。1990年代に急速に普及し、日本における公営コートはほとんどこの砂入り人工芝となった。 全天候型(多少雨が降ってもプレイできる)のテニスコートというのが売りであり、球足は硬式テニスではハードより遅く弾まない。ソフトテニスではクレーより遅く、弾道は少々低め。天候に左右されないという点において他のサーフェスを圧倒しており、真の意味での全天候型コートといえる。雨の多い日本において、頭痛の種だった大会運営の負担が飛躍的に軽減された。また、硬式テニスとソフトテニスの共存が日本のテニスにおける特異な事情だが、その妥協点としての存在でもある(硬式プレーヤーはハードを好み、ソフトテニスプレーヤーはクレーを好む傾向にあり、しばしば対立する)。ただし、ソフトテニス専用のクレーコート・砂入り人工芝コートも存在する。また従来より、使用済みの砂入り人工芝は産業廃棄物となり環境問題の一つとなっていた。しかし近年では、使用済み砂入り人工芝をフルリサイクルする業者(東京ウエルネス など)も現れた。ただやはり砂入り人工芝だけで育った選手は世界で中々通用せず、硬式テニスのジュニア育成に力を注いでいる組織は、世界で戦うジュニアを育てるために環境面からもジュニアの底上げを図っている。実際、テニスの名門であり数多のプロが輩出した湘南工科大学附属高等学校や柳川高等学校、園田学園中学校・高等学校、慶應義塾大学、早稲田大学、亜細亜大学、荏原湘南スポーツセンター、桜田倶楽部のテニスコートの約8割はハードコートであり、さらに1割強がクレーコートで、砂入り人工芝コートの割合は残る1割未満を構成するのみである。
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