石油系合成洗剤に先んじていたソフト系洗剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 02:19 UTC 版)
「合成洗剤」の記事における「石油系合成洗剤に先んじていたソフト系洗剤」の解説
※ここで言う「ソフト」とは、動物繊維衣類やおしゃれ着などを指すソフト着の意味で、生分解性の度合いによって分類されるソフト/ハードではない。 弱アルカリ性の合成洗剤や洗濯石鹸では、羊毛や絹などの動物性繊維による布・糸を洗濯すると、自身が持つ油脂分まで分解してしまい、生地が縮んでしまったり、激しい褪色を伴ったりする、という欠点があった。この為、従来はこれらの洗濯はぬるま湯で石鹸・洗剤の類を使わず洗うか、ドライクリーニングを利用するしか無かった。これらに対応できる洗剤として、中性かつ界面活性剤の分量を少なくし、これらのソフト着洗に対応した商品が発売された。 これらは界面活性剤の主原料に、石油系油脂ではなく、高級アルコールを使用していることが特徴としてあげられる。また、石油系合成洗剤に多い蛍光剤は、含まれていない。 洗濯機は激しい水流でやはりこれらの刺激に弱い素材を傷つけてしまうため、手洗いが一般的だった。このため、液体で、少量使うスタイルで発売された。後にマイコン制御の洗濯機の登場によってソフト着洗も洗濯機で可能になったが、これらの商品は現在に至るまで液体が主流である。 実際には、日本での登場は石油系合成洗剤より先で、太平洋戦争(大東亜戦争)前に発売されていた。 花王「エキセリン」 1938年(昭和13年)発売。高級着用洗剤として発売された。当初は粉末だったが、戦後、液体タイプが発売され、主流となった。ライオンの「アクロン」に対抗して、改良型の「エキセリンU」、コンパクト化した「エキセリン1/2」を発売するが、後に植物系原料の「エマール」に統合され、消滅した。
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