短期賃貸借
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 16:45 UTC 版)
処分の権限を有しない者(不在者財産管理人、権限の定めのない代理人など)が賃貸借契約を締結する場合には、以下の期間を超えない範囲でのみ契約をすることができる(602条)。このような短期の賃貸借契約を短期賃貸借という。 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 10年 上記以外の土地の賃貸借 5年 建物の賃貸借 3年 動産の賃貸借 6ヶ月 契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、当該各号に定める期間となるとされており、2017年改正の民法(2020年4月1日法律施行)で明確化された(602条)。 短期賃貸借も更新することができるが、その期間満了前、土地については1年以内、建物については3ヶ月以内、動産については1ヶ月以内に、その更新をしなければならない(603条)。 なお、以前は、短期賃貸借は、その期間の範囲で先に登記された抵当権にも対抗(優先)することができた(旧395条)。しかし、執行妨害で悪用されるなど弊害が目立ったため、2003年の民法改正で対抗できるとしたのを改め、6ヶ月の明け渡しの猶予期間を認めている(395条)。また、2017年改正前の民法には制限行為能力者に関する「処分につき行為能力の制限を受けた者」の文言があったが、制限行為能力者の行為能力は別に定められており、短期賃貸借であれば制限行為能力者も行うことができるとの誤解を生じることから削除された。
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