短期と長期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:32 UTC 版)
マクロ経済学において、短期と長期というのは、(例えば1カ月、1年といったような)時間的な違いで区別されているわけではない。マクロ経済学でいう「長期」とは、(期待)物価水準が経済に対して完全に調整されている状態と定義されている。マクロ経済学でいう「長期」的な世界では、物価水準は完全に柔軟であり、総需要曲線・総供給曲線のシフトで超過需要・超過供給が生じた際には完全に柔軟な物価水準によって超過需要・超過供給が調整され、常に完全雇用が達成される。労働力や資本の分配も完全に調整が終了している。それゆえに失業も基本的に自発的失業と摩擦的失業しか考慮されない。長期分析における均衡GDPは潜在GDPと呼ばれ、この時の失業率は(マネタリズム的な立場から)自然失業率と呼ばれる。 一方で、ケインズの指摘した「短期」では、このような調整が成り立たない。短期の前提のもとでは、超過需要・超過供給が生じても、それは瞬時には調整されず、非自発的失業のような不均衡状態を生み出す。新古典派の理論は価格調整が瞬時に行われる長期(言い換えれば完全雇用の達成後)にしか成立せず、長期的には新古典派のいうような価格調整は働くものの、短期的には物価水準は粘着的もしくは硬直的であるため、ケインズは短期的には価格調整よりも数量調整をより重視するべきであるとしたのである。 But this long run is a misleading guide to current affairs. In the long run we are all dead.しかし、この長期というものが現在の事象に対するミスリーディングなのだ。長期的には我々は皆死んでいる。 — ジョン・M・ケインズ A Tract on Monetary Reform (1923) Ch. 3 この言葉は新古典派を批判する言葉として非常に有名なものである。
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短期と長期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 22:57 UTC 版)
短期の費用ある生産要素が固定的である場合の費用。 長期の費用すべての生産要素が可変的である場合の費用。
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