矢島渚男とは? わかりやすく解説

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矢島渚男

矢島渚男の俳句

ああといひて吾を生みしか大寒に
さびしさや撞けばのどかな鐘の音
じやが薯を植ゑることばを置くごとく
むらさきになりゆく二羽の青鷹
われよりも年寄る海鼠食ひにけり
アルプスの濡身かがやく桃の花
囀りの美しかりしこと閨に
大鮟鱇触つてみれば女体かな
天の川小さくあれど志
天高く妻にゆまりのところなし
姫はじめ闇美しといひにけり
戸隠や顔にはりつく天の川
教壇は十歩に足らず黄落す
数へ日のこころのはしを人通る
春の葦軍港といふ陰部あり
梟の目玉見にゆく星の中
炎天に尻うち据ゑて栄螺割る
炬燵に顎のせ友恋か山恋か
父がまづ走つてみたり風車
背泳ぎにしんとながるる鷹一つ
臍の緒を家のどこかに春惜しむ
船のやうに年逝く人をこぼしつつ
行秋のとんぼにとまるとんぼかな
遠くまで行く秋風とすこし行く
金木犀妻の里訪ひ妻に逢ふ
鶏頭をこづいて友のきたりけり
 

矢島渚男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/26 06:10 UTC 版)

矢島 渚男(やじま なぎさお、1935年1月24日 - )は、日本俳人。2020年旭日小綬章受章。2024年文化功労者。本名は薫。

経歴

長野県丸子町(現上田市)生まれ。上田松尾高校九段高校を経て、東京大学文学部国史学科卒業。大江健三郎と同期だった。卒業後は長野県内で歴史高校教諭となる。1957年」に入会し石田波郷に師事したが、波郷没後「寒雷」に移り、加藤楸邨に師事する。1994年、俳誌「梟」主宰。2003年、句集『延年』で第3回俳句四季大賞受賞。2008年、句集『百済野』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2016年、句集『冬青集』で第50回蛇笏賞受賞。読売新聞及び朝日新聞長野版俳壇選者。2020年、旭日小綬章受章[1][2]。2024年、文化功労者[3]

著書

  • 矢島渚男句集 東京美術 1980.1 (現代俳句俊英30人集)
  • 天衣 句集 富士見書房 1987.7
  • 蕪村の周辺 角川書店 1988.1
  • 梟 句集 富士見書房 1990.8 (「俳句研究」句集シリーズ)
  • 季題のこころ 古典俳句をたのしく 本阿弥書店 1990.10
  • 白雄の秀句 1991.1 (講談社学術文庫)
  • 楸邨俳句365日 梅里書房 1992.4 (名句鑑賞読本)
  • 俳句の明日へ 本阿弥書店 1992.10 (矢島渚男評論集 ; 1)
  • 船のやうに 句集 紅書房 1994.4
  • 梟のうた 句集 ふらんす堂 1995.5 (テーマ別句集シリーズ)
  • 与謝蕪村散策 角川書店 1995.5
  • 翼の上に 句集 角川書店 1999.5 (今日の俳句叢書)
  • 俳句の明日へ 芭蕉・蕪村・子規をつなぐ 2 紅書房 2001.1
  • 精選季題別蕪村秀句 與謝蕪村(編著)2001.3 (邑書林句集文庫)
  • 延年 句集 富士見書房 2002.7
  • 善光寺句集 ボロンテ 2003.4
  • 身辺の記 紅書房 2004.7
  • 百済野 句集 ふらんす堂 2007.9
  • 俳句の明日へ 3 古典と現代のあいだ 紅書房 2010.1
  • 野菊のうた ふらんす堂 2011.3
  • 冬青集 ふらんす堂 2015.9

脚注

  1. ^ 『官報』号外第230号、令和2年11月4日
  2. ^ 令和2年秋の叙勲 旭日小綬章等受章者 長野県” (PDF). 内閣府. 2023年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月26日閲覧。
  3. ^ 文化勲章・功労者の業績 2024年度”. 日本経済新聞 (2024年10月25日). 2024年10月25日閲覧。

参考文献

  • 坂口昌弘 『平成俳句の好敵手』 文學の森、2012年
  • 矢島渚男 『野菊のうた』 ふらんす堂、2011年

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