相関関数
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:51 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動物理学において相関関数(そうかんかんすう、英: correlation function)は、2つの物理量の間の相関を表す量である。様々な分野に登場する極めて広い概念であり、問題設定に応じて定義も僅かに異なる。
概要
一般にx を空間、時間または時空間などのパラメータとし、x の各々の値に対応した物理量A (x) , B (x) などを考える。統計力学や量子論など、物理量 A (x) , B (x) に何らかのゆらぎがある場合、その積を作って平均をとったもの
を考えることが出来る。これは x における物理量と y における物理量がどの程度互いに影響を及ぼし合っているかを示す量なので、相関関数と呼ばれる。 A = B については特に自己相関関数(英: autocorrelation function)と呼ばれる。
時間相関関数
x , y が時間であるとき、この相関関数を時間相関関数と呼ぶ。物理量A にゆらぎがある場合、異なる時刻 t と t' において A を測定し、多数の測定に対してその積の平均をとったものは、平衡状態では系は定常であるため、t -t' にしか依存しない。
G (0) の値はに等しく必ず正となる。また十分時間が経った後は A (t) の値は A (0) の値と無関係になるので、積の平均は平均の積で置き換えることが出来る。
右辺は定義により0である。よって時間相関関数はで0となる。
時間相関関数は、不可逆過程の統計力学において中心的な役割を果たすことが広く認識されている。例えば、すべての輸送係数が、平衡状態における時間相関関数の時間積分で表されることが分かっている。また時間相関関数は、放射線や粒子線の非弾性散乱微分断面積や磁気共鳴などの振動数スペクトルによって直接実験的に求められる。
参考文献
- 土井正男 『統計力学』朝倉書店、2006年4月。
- 物理学辞典編集委員会 『物理学辞典 三訂版』培風館、2005年9月。
関連項目
相関函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/12 04:16 UTC 版)
人工的に適当な函数 J k {\displaystyle J_{k}} を分配函数に導入すると、確率変数の期待値を得ることができる。このようにすると、例えば、 Z ( β , J ) = Z ( β , J 1 , J 2 , … ) = ∑ x i exp ( − β H ( x 1 , x 2 , … ) + ∑ n J n x n ) {\displaystyle {\begin{aligned}Z(\beta ,J)&=Z(\beta ,J_{1},J_{2},\dots )\\&=\sum _{x_{i}}\exp \left(-\beta H(x_{1},x_{2},\dots )+\sum _{n}J_{n}x_{n}\right)\end{aligned}}} E [ x k ] = ⟨ x k ⟩ = ∂ ∂ J k log Z ( β , J ) | J = 0 {\displaystyle {\mathbf {E}}[x_{k}]=\langle x_{k}\rangle =\left.{\frac {\partial }{\partial J_{k}}}\log Z(\beta ,J)\right|_{J=0}} を x k {\displaystyle x_{k}} の期待値として得ることができる。場の量子論の経路積分による定式化では、これらの任意函数は、みな共通にソース場(英語版)の影響を受ける。 多重微分は、確率変数の相関函数を導く。このようにして変数 x j {\displaystyle x_{j}} と x k {\displaystyle x_{k}} の間の相関函数は、次の式で与えられる。 C ( x j , x k ) = ∂ ∂ J j ∂ ∂ J k log Z ( β , J ) | J = 0 {\displaystyle C(x_{j},x_{k})=\left.{\frac {\partial }{\partial J_{j}}}{\frac {\partial }{\partial J_{k}}}\log Z(\beta ,J)\right|_{J=0}} H = 1 2 ∑ n x n D x n {\displaystyle H={\frac {1}{2}}\sum _{n}x_{n}Dx_{n}} 相関函数 C ( x j , x k ) {\displaystyle C(x_{j},x_{k})} は微分作用素(さらにフレドホルム理論となる)のグリーン函数であることと理解できる。場の量子論の設定では、この函数をプロパゲータ(propagator)と言う。より高次のオーダーの相関は、n-点函数と呼ばれ、理論の有効作用(英語版)(effective action)の定義に使われる。
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