相関汎関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 02:30 UTC 版)
HEGの相関エネルギーに対する解析表式は、それぞれ無限に弱い相関と無限に強い相関に対応する高密度および低密度限界で利用可能である。電子密度ρを持つHEGについて、相関エネルギー密度の高密度限界は ϵ c = A ln ( r s ) + B + r s ( C ln ( r s ) + D ) {\displaystyle \epsilon _{c}=A\ln(r_{s})+B+r_{s}(C\ln(r_{s})+D)} であり、低密度限界は ϵ c = 1 2 ( g 0 r s + g 1 r s 3 / 2 + … ) {\displaystyle \epsilon _{c}={\frac {1}{2}}\left({\frac {g_{0}}{r_{s}}}+{\frac {g_{1}}{r_{s}^{3/2}}}+\dots \right)} である。上式において、Wigner-Seitzパラメータ r s {\displaystyle r_{s}} は無次元である。これは、厳密に1つの電子を包含する球の半径をボーア半径で割った値として定義される。Wigner-Seitzパラメータ r s {\displaystyle r_{s}} は密度と以下の式で結び付けられる。 4 3 π r s 3 = 1 ρ {\displaystyle {\frac {4}{3}}\pi r_{s}^{3}={\frac {1}{\rho }}} 密度の全領域に対する解析表式は多体摂動論に基づいて提案されてきた。計算された相関エネルギーは2ミリハートリー以内で量子モンテカルロシミュレーションの結果と一致する。 HEGのエネルギーに対する精密な量子モンテカルロシミュレーションは複数の中間的値の密度について実行され、次々に相関エネルギー密度の精密な値を与えてきた。相関エネルギー密度に対する最も人気のあるLDAは、厳密に知られている漸近挙動を再現しながら、シミュレーションから得られたこれらの正確な値を内挿する。εcに対する異なる解析形式を使った様々なアプローチによって相関汎関数に対する複数のLDAが生み出されてきた。 Vosko-Wilk-Nusair (VWN) Perdew-Zunger (PZ81) Cole-Perdew (CP) Perdew-Wang (PW92) これらや、DFTそれ自身の形式的樹立よりさえも前から存在するのがHEGモデルから摂動論的に得られるWigner相関汎関数である。
※この「相関汎関数」の解説は、「局所密度近似」の解説の一部です。
「相関汎関数」を含む「局所密度近似」の記事については、「局所密度近似」の概要を参照ください。
- 相関汎関数のページへのリンク