相対年代から絶対年代へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/05 23:38 UTC 版)
考古学において、相対年代は考古学的な調査や研究の基礎になるものではあるが、あくまでも相互の新旧関係を決めるだけにとどまるので、文字資料のある時代(歴史時代)においては、それを絶対年代、さらには暦年代(実年代)に近づける努力が必要である。火山灰のなかには、北日本一帯に降下した十和田a火山灰(To-aテフラ)のように、『扶桑略記』に「延喜15年」(915年)の記事として「出羽国言上雨灰降高二寸…」という記載があり、暦年代がはっきりわかっているものもある。このようなデータを集積し、それまで明らかになっていた相対年代とも比較照合することによって、さらに詳細な年代の解明へとつなげることができる。 地質学における相対年代は、主に層序や化石の変遷によって定められるのに対し、数値年代は、原子核崩壊による核種変化や放射線による損傷を利用して、岩石や化石の年代(形成以降の経過年数)を測定する放射年代測定によって求められるが、測定に用いた試料や測定方法により、得た値の吟味が必要である。そのため、現在では「絶対年代」の用語は用いられず、放射年代ないし数値年代の語が用いられる。
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