直接測流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 06:21 UTC 版)
直接測流とは特殊な装置、器具を実際に海洋に固定させて、あるいは浮遊させて流速を測る方法である。直接法にはオイラー法とラグランジュ法(共に観測方法を考案した学者名)がある。 オイラー法 オイラー法は流速計をある場所に固定して流れを測るもので、流れの強さはプロペラの回転数やトルク、板・膜にかかる水圧、ワイヤーを張った時の抵抗による傾き、ドップラー効果による音速変化などを利用して測る。 ラグランジュ法 ラグランジュ法は物体を浮かべて海水の移動を追跡する方法で、船自体の流され方から流速や流向を知ったり、海流瓶を流す方法(中に手紙を入れ、その瓶を拾い上げた人に日時と位置を書いて送ってもらうよう依頼する。日本での最も大規模なものは和田雄治の1913年から1917年の13357本。和田雄治を参照。)などは昔から行われてきた。現在では漂流ブイに発信装置を付け、電気信号を追跡する手法が多く採られる(ARGO計画参照)。ブイの密度を調整すれば海の表層だけでなくある程度の深さの流れのようすも追跡することができる。 海流計 船舶に搭載されるものとしては、電磁海流計 (GEK、geomagnetic electro-kinetograph) と呼ばれる地磁気と電磁誘導の法則を利用した海流計がある。1950年にアメリカで開発された。現在の海洋観測では超音波式多層流速計(ADCP)などにより現場で簡単に観測されている。
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