発掘調査の成果と出土遺物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/14 00:46 UTC 版)
「五条猫塚古墳」の記事における「発掘調査の成果と出土遺物」の解説
墳丘表面には埴輪がめぐっており、斜面には拳大の葺石が敷き詰められていたのが明らかにされている。墳丘中央には全長5.17メートルの竪穴式石室があった。石室内には埴製の枕がほぼ中央にあり、被葬者は西北位に頭部を向けて葬られたようである。被葬者の周りは甲冑、帯金具、刀剣、鉾などの武器を中心として、多数の副葬品でつまっていた。3点出土した眉庇付冑の1つは「蒙古鉢形」と呼ばれるもので金銅製である。蒙古鉢形とは蒙古(モンゴル)付近の冑と形式的に類似し、関連性があるのではないかと考えられ、名付けられたものである。他の2点の冑も金銅製で金銅と鉄を組みあわせ、前後左右に金銅を張る「四方白」と呼ばれる形式とものである。このようなきらびやかな冑は日本では数例しか出土していないという。さらに金銅製透彫銙帯金具は現代の革ベルトの表面を飾るものと考えてよく、透彫りには竜紋と三葉文があるが、類例が少なく文様の構成から大陸との関係が深いものであろうといわれている。他に特徴的な副葬品としては鍛工具類がある。それらはヤットコ、金鎚、タガネ、カナトコ、砥石等があり、全国でも出土例が非常に少ないものである。渡来系工人との関係なども窺われる資料である。
※この「発掘調査の成果と出土遺物」の解説は、「五条猫塚古墳」の解説の一部です。
「発掘調査の成果と出土遺物」を含む「五条猫塚古墳」の記事については、「五条猫塚古墳」の概要を参照ください。
- 発掘調査の成果と出土遺物のページへのリンク