病原因子と病気のサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/09 13:23 UTC 版)
「キャッサバモザイク病」の記事における「病原因子と病気のサイクル」の解説
キャッサバモザイクジェミニウイルスは、シルバーリーフコナジラミ Bemisia tabaci によって永続伝搬され、感染した植物を挿し穂として使用することによる栄養繁殖や、時には機械的接触によっても伝播する。キャッサバは植え付けられた後2–3週間のうちに最初の葉が現れ、これらの若い葉にウイルスを保有するコナジラミが住み着く。キャッサバモザイクジェミニウイルスの感染が起こるのは主にこの段階であり、より成長した植物には感染することができない。ウイルスのゲノムは双子型のキャプシドに別々に封入されたDNA A、Bという2つの要素からなり、感染が起こるには双方が植物へ注入されなければならない。 一般的に、コナジラミがウイルスを獲得する3時間の吸汁期間と8時間の潜伏期間が必要であり、その後の若い葉への感染には10分かかるとされる。この時間に関しては文献によって差異があり、他の文献では4時間の獲得期間と4時間の潜伏期間とされている。病徴は3–5週間の潜伏期間の後出現する。コナジラミの成虫は最初のウイルスの獲得から48時間は健康な葉への感染を行い続けることができる。宿主に感染するには1頭のコナジラミでも十分であるが、複数の感染したコナジラミが吸汁を行うことで伝染の成功率が上昇する。 葉から植物へ進入した後も、ウイルスは葉の細胞に8日間は留まり続ける。1本鎖DNAウイルスであるので、複製を行うには葉の細胞の核へ進入する必要がある。この初期期間の後、ウイルスは師部へ進入し、幹の根元へ向かって移動し、枝へと移行する。枝への移動は幹での移動よりもずっと遅いため、幹が感染していても枝の挿し穂は病気を持っていない可能性がある。一部の文献では感染は地上組織に限られることが指摘されているが、その理由は不明である。
※この「病原因子と病気のサイクル」の解説は、「キャッサバモザイク病」の解説の一部です。
「病原因子と病気のサイクル」を含む「キャッサバモザイク病」の記事については、「キャッサバモザイク病」の概要を参照ください。
- 病原因子と病気のサイクルのページへのリンク