異端派と沙門たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 02:04 UTC 版)
「インド哲学#比較」も参照 この正統派の説に反発する人々は、異端派として、決定的な厭世の圧力からのがれようとした。従来のバラモン教に所属しない、様々な自由思想家たちがあらわれていた。かれらは高度な瞑想技術を持っており、瞑想によって得られた体験から、様々な思想哲学を生み出し、業、輪廻、宿命、解脱、認識論などの思想が体系化されていった。この中に業の思想も含まれていた。 それが沙門とよばれ、釈迦と同時代の哲学者として知られた六師外道と仏教側に呼ばれる人々であった。 ある人は、霊魂と肉体とを相即するものと考え、肉体の滅びる事実から、霊魂もまた滅びるとして無因無業の主張をなし、また他の人は霊魂と肉体とを別であるとし、しかも両者ともに永遠不滅の実在と考え、そのような立場から、造るものも、造られるものもないと、全く業を認めないと主張した。 なおバラモン教における輪廻思想の発生を、従来考えられているよりも後の時代であるとする見解もある。例えば上座仏教では、釈迦在世時に存在したバラモン経典を、三つのヴェーダまでしか認めておらず、釈迦以前のバラモン教に輪廻思想は存在しなかったとする。もちろん、当時の自由思想家たちが輪廻思想を説いていたことは明白であるが、彼らはバラモン教徒ではなかったことに注意すべきである。
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