異端派経済学における政治経済学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 01:37 UTC 版)
「政治経済学」の記事における「異端派経済学における政治経済学」の解説
マルクス経済学における政治経済学は、経済現象を社会構造、制度、文化、政治体制などを含めた広い視野から分析する分野のことを言う。当初から、マルクス経済学は、古典派経済学の政治への問題意識を批判的に継承するとともに、その分析対象として、政治体制と経済体制を含む社会全体を視野に入れてきた。戦後になると、再びマルクス経済学や、それに理解を示す経済学者によって政治経済学が用いられる例が増えた。例えば都留重人や宮本憲一によるものである。冷戦終結後は、政治経済学という言葉がマルクス経済学の発展的継承という意味で用いられることもある。これは自称であり、実態はマルクス経済学そのもの、という場合も少なくない。 戦間期から戦後にかけて、新古典派以降の経済学とマルクス経済学の何れにも属さない立場や、一方に飽き足らなくなった立場からの研究が政治経済学と呼ばれた。その初期の代表例は、カール・ポランニーによる『大転換』である。また、現在は環境経済学で参照されることが多い、ウィリアム・カップの『私的企業と社会的費用』も最終的に民主主義論に到達する。さらに、ケネス・E・ボールディングも、『経済学を超えて』の中で経済学から政治学を指向する必要性を説き、独自の政治経済学を構築した。日本でも、経済学史研究から多彩な展開を見せた玉野井芳郎の業績などを政治経済学と位置づける見解も存在する。
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