田舎小僧のエピソードとの混同
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 00:42 UTC 版)
「稲葉小僧」の記事における「田舎小僧のエピソードとの混同」の解説
田舎小僧と稲葉小僧、語呂が似ており名も「新助」で、盗賊として活動していた時期が近く、両者とも大名屋敷に盗みに入ったことなどから、2人の逸話を混同して書いた記録は多い。曲亭馬琴は不忍池に飛び込んで逃れた新助を稲葉小僧とし、松浦静山は天明5年に獄門になった新助が稲葉小僧で、杉田玄白は田舎小僧が稲葉小僧と聞き間違えられたと記している。 三田村鳶魚も、田舎小僧と稲葉小僧は、1人の泥棒に仕上げられたとしている。稲葉小僧は不忍池を泳いで逃げ潜伏先で死んだのだから、本名も凶状も分からない。稲葉小僧は刀・脇差ばかり盗み、逆に田舎小僧は刀剣には手をつけなかったのに申渡しには「金子並腰のもの、亦は小道具、反物、提げもの、衣類」を窃取したとあるのは稲葉小僧の分まで罪を着せられたもので、これは稲葉家としても家中の人間から盗賊を出したとあっては外聞を憚るので、事実を塗抹すべく運動したのだろうと鳶魚は考えている。それに田舎小僧より稲葉小僧の方が聞えもよく、稲葉小僧の罪も背負わせた方が泥棒らしくなるので、よく芝居や講釈の材料になったとも鳶魚は語っている。
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