産業での用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/07 02:21 UTC 版)
産業において、1990年代から窒化ケイ素ゲート絶縁体が使用されており、シリコン酸化物絶縁体に少量の窒素が注入される。窒素含有量は誘電率をわずかに増加させ、ゲート絶縁体を通したドーパント拡散に対する抵抗などの利点があると考えられる。 2007年初めにインテルは、ハフニウムベースhigh-k絶縁体の展開を、45ナノメートル(英語版)テクノロジー上のコンポーネントにおけるメタルゲートと併せて発表し、コードネームでPenrynと呼ばれる2007プロセッサシリーズで出荷した。 それと同時にIBMでも、2008年にいくつかの製品でハフニウムベースのhigh-k材料へ移行することを発表した。特定されていないが最も用いられている可能性が高いとされている絶縁体は、何らかの形の窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)である。HfO2とHfSiOはドーパント活性化アニールの間、結晶化の影響を受けやすい。NECエレクトロニクスも55 nm UltimateLowPowerテクノロジーでHfSiON絶縁体の使用を発表した。 しかしHfSiONはトラップに関係したリーク電流の影響を受けやすく、これはデバイス寿命までの間、ストレスにつれて増加する傾向がある。このリーク効果は、ハフニウム濃度が増加するとよりシビアになる。しかしハフニウムが将来のhigh-k絶縁体での事実上の基礎となる保障は無い。2006年のITRSロードマップはhigh-k材料の実行は2010年までに産業において当たり前になると予言している。 尚、成膜方法としては大口径ウエハ上への均一な成膜が可能なALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)が用いられていることが知られている。
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