生体内での糖鎖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/09 14:08 UTC 版)
アミロースやアミロペクチン、グリコーゲンなどは、グルコースを多数結合させて、体内でのエネルギー源として保存しやすい形に蓄積したものといえる。またセルロースやキチンなどは丈夫な繊維になるため、動植物の体を構築する素材として重要である。糖タンパク質の糖鎖には、セリンやスレオニンのヒドロキシ基にα結合しているO-グリコシド結合糖鎖と、アスパラギンのアミノ基にβ結合しているN-グリコシド結合糖鎖がある。N-グリコシド結合糖鎖はサイトソルと小胞体で合成され、オリゴ糖転移酵素 (OST) によってタンパク質のアスパラギンに結合させられる。この糖鎖は熱ショックタンパク質のフォールディングに関わっているものもあり、それらはシャペロンといわれる。O-グリコシド結合糖鎖にはムチン型糖鎖、プロテオグリカン、糖脂質などがある。 細胞表面にもシアル酸を含むガングリオシドなどの糖鎖は存在しており、これらは細胞接着、抗原抗体反応、ウイルスの感染など細胞のコミュニケーションに重要な役割を担う。例えば血液型(ABO式)の違いを作り出しているのも、糖鎖の構造の差である。また生理活性を持つ低分子の中にも糖鎖を持つものがあり、これらはDNAの特定の配置を認識して結合するなどしてその作用をアシストしている。
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