環状線部分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 13:40 UTC 版)
金沢城址周辺を走る環状線の北西角は武蔵ヶ辻である。ここは4方向への幹線道路が集まる交差点であるとともに、百貨店や商店街が並ぶ繁華街の中心地にあたる。市内線も東および南方向に向かう環状線と、北西方向に伸びる金沢駅前への路線との三叉路であった。 武蔵ヶ辻から東へ向かうと、路線は博労町にかけて市姫通を経由する。ここは1904年(明治37年)に開通した道路で、沿道は明治・大正期においては市内最大の繁華街であった。博労町から先は尾張町を経て橋場町に達する。この区間は江戸期の北陸街道にあたる。橋場町の交差点より環状線は南へ転ずるが、ここから北へ向かう東金沢駅前への路線もあった。 橋場町から南へ向かう路線は、味噌蔵町を経て、兼六園に通ずる紺屋坂との交差点に出る。ここに兼六園下停留場があり、環状線と小立野へ伸びる路線の三叉路が形成されていた。また交差点の南東には当時北陸鉄道本社があり、市内線の車庫も隣接していた。 環状線の路線は兼六園下停留場から南西方向へ進み、西を金沢城址、東を兼六園に挟まれた百間堀通を通過する。この百間堀通は、小立野台地の先端に位置する金沢城と兼六園を隔てる形で開削されていた金沢城百間堀を1910年(明治43年)に埋め立てて開通したもの。百間堀通を過ぎると東西方向の広坂通に出る。沿道には金沢市役所や石川県庁が立地する。 環状線の南西角は香林坊である。広坂通から西へ進んだ環状線は香林坊で北へ転じ武蔵ヶ辻へ戻っていくが、南へ向かう野町広小路方面への路線もあった。香林坊から武蔵ヶ辻にかけては途中石浦町・南町・上堤町・下堤町を経由する。この区間の道路もかつての北陸街道にあたる。 環状線部分設置の停留場は以下の通り。 環状線部分停留場一覧(廃止時点) 武蔵ヶ辻 - 尾張町 - 橋場町 - 味噌蔵町 - 兼六園下 - 県庁前 - 香林坊 - 尾山神社前 - 南町 - 堤町 - 武蔵ヶ辻兼六公園下は「車庫前」より1950年1月「北鉄本社前」へ改称、さらに50年代中に「公園下」となり、1960年代に入ってから「兼六園下」となる。 戦中の廃止から復帰した停留場に尾張町(1945年12月)、味噌蔵町・県庁前(1940年代後半)、尾山神社前・堤町(1950年代前半)がある。
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