環境・景観への配慮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 17:20 UTC 版)
「東山トンネル (愛知県)」の記事における「環境・景観への配慮」の解説
先述したように換気方式は横流式を採用している。山岳トンネルでは縦流式、つまり汚染された空気を換気扇によって出入口まで流す方式が多勢であるが、出入口が市街地の都市では環境的に好ましい方式とは言えない。そこで東山トンネルでは、空気をトンネルに対して直角方向(地上に向かって)に流し、換気所のフィルターで空気を浄化して排出する横流式が採用された。また、換気所には排出と同時に新鮮な空気をトンネルに送り届ける送気機能も備えている。 トンネル上部が風致地区の住宅街である他、東山公園の区域内でもあることから、設置される換気所3か所については十分な景観への配慮が行われた。換気塔の内2つは、排気ガスによる周辺住民への影響を避けるため高さを45メートルとしたが、視覚的には圧迫感を感じさせないデザインとして景観に配慮した。残る1つは高針側の坑口中央に設けられ、背後の山と坑口との調和を持たせている。また、地元住民は換気所の色彩に注文をつけたが、公社は環境アセスメントによって茶色と決定した経緯から変更は困難として現状の色調に落ち着いている。なお、緑橋換気所については名古屋市からの指導を受け、巻ツル植物の植栽と壁面緑化を図るために登はんパネルを採用のうえヘデラで壁面を覆い周辺環境との調和を図った。 1976年に凍結された千種区鏡池通以東の計画留保を解除するためには、環境対策や沿線住民の建設に対する理解が必要とされた。公社は1978年に45mとした場合の換気所から排出される気流の拡散実験等を行って地域住民に対して説明を重ね、留保解除を取り付けている。
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