現在の界・界以上の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 04:11 UTC 版)
「界 (分類学)」の記事における「現在の界・界以上の分類」の解説
1990年、ウーズは、細菌・古細菌・真核生物を3つの基本的な系統とみなし、これらをドメイン (domain) に格上げしてBacteria、Archaea、Eucarya と命名した。この3ドメイン説は議論をまき起こしたが、従来の2上界説(原核生物界と真核生物界)にかわって、界以上の分類法の標準となっている。この時、ウーズは16S rRNA系統解析に基づき古細菌をユーリ古細菌界とクレン古細菌界の2界に分割している。また、レイクらは、伸長因子の系統解析に基づき古細菌類は、より基礎的な古細菌界(=ユーリ古細菌)と、真核生物に近いエオサイト界に分かれるとした(エオサイト説)。 「ドメイン (分類学)」も参照 生物 細菌ドメイン 古細菌ドメイン 真核生物ドメイン 2005年、国際原生生物学会は、真核生物の新しい分類を発表した。この分類にはリンネ式階級は使われていないが、従来の界に類似したグループとしてアメーボゾア、オピストコンタ(動物と菌類など)、リザリア、エクスカヴァータ、クロマルベオラータ(クロミスタなど)、アーケプラスティダ(植物)の6つのスーパーグループが置かれ、これが真核生物の分類の標準となった。階級を当てはめる場合、これらは界として扱われることがある。ただし、オピストコンタは従来の動物界と菌界を含んでいるので上界とすることが多く、単純に6界とは言えない。また、これらのいくつかには当時からすでに単系統性に疑問が持たれており、後に再編された分類体系が発表されている。 詳細は「生物の分類」の §真核生物の大分類群・§分子系統学的分類例、「真核生物#下位分類」を参照 真核生物 エクスカバータ — 種々の鞭毛原虫類など アメーボゾア — アメーバ類の一部, 粘菌類など オピストコンタ — 後生動物, 菌類, 襟鞭毛虫類など リザリア — 有孔虫類, 放散虫類, ケルコゾアなど クロムアルベオラータ — ストラメノパイル, ハプト植物, クリプト植物, アルベオラータ アーケプラスチダ — 陸上植物, 緑藻類, 紅藻類, 灰色藻類 一方、古細菌もユーリ古細菌、クレン古細菌以外の系統が多数発見されたことで、単純に2系統とは言えなくなってきている。2014年にはそれが整理され、ユーリ古細菌界とプロテオ古細菌界の2界に分割する考え方が出てきた。 古細菌 ユーリ古細菌界 — ユーリ古細菌門やDPANN群など プロテオ古細菌界 — クレン古細菌やタウム古細菌など
※この「現在の界・界以上の分類」の解説は、「界 (分類学)」の解説の一部です。
「現在の界・界以上の分類」を含む「界 (分類学)」の記事については、「界 (分類学)」の概要を参照ください。
- 現在の界界以上の分類のページへのリンク