現代文学での取り上げ方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 01:58 UTC 版)
『元朝秘史』の物語の史実性の是非はともかく、この興味深い物語が多くの人の関心を引き寄せる魅力を持っていることに違いはない。日本の作家井上靖は小説『蒼き狼』で晩年の親子の確執と絡めて、ともに略奪された母から生まれ出自に疑問を抱きつづけるチンギス・カンとジョチの複雑な親子の関係を見事に描き出している。なお、井上は「父は不明」を基本スタンスとしているが、陳舜臣は『チンギス・ハーンの一族』において『集史』とほぼ同様(つまり、すでに妊娠していたとする説)の主張を行っており、チンギス・カンは自身の子であると認知、ジョチと不和であったチャガタイは、周囲がうわさしていた「メルキトの子」であるという風評を、互いが幼少時の時期に罵ったという亀裂が修復されずに成長し、そのまま成長するにいたって互いに引っ込みが付かなくなったのが決定的な亀裂の原因である、という描き方をしている。また、森村誠一は「チンギス・カンの子ではない」としているなど、歴史小説における扱いはさまざまである。
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