現代文化雑誌としての『オリーブ』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 18:01 UTC 版)
「Olive (雑誌)」の記事における「現代文化雑誌としての『オリーブ』」の解説
『オリーブ』は、特に1980年代においては、実用的なファッション雑誌というより、のちに「ガーリー(>girlish)」と呼ばれる、新しいタイプの都会的少女文化を提示するサブカルチャー雑誌というべき存在であった。主要読者層の想定としてミッション系、一貫教育校などの中高生や帰国子女を含み、音楽、映画、インテリア、絵本など文化記事に力を入れ、当時『オリーブ』の愛読者でリセエンヌ的なファッションやライフスタイルにこだわる若い女性は「オリーブ少女」といわれた。 しかし、1990年代以降、読者層としていた10代の女性の指向が以前より現実的なものになり、より実用的なファッション雑誌に読者が流れた。『オリーブ』の提示した先鋭的な美意識が拡散し一般的なものになるにつれ、それまで唯一無二のものであった『オリーブ』の立ち位置が曖昧になってしまったともいえる。1990年代の『オリーブ』は文化や生活全般を題材にするという姿勢は崩さないものの、より地に足のついた実践的な記事が増える傾向にあり、2000年代のスローライフに通じるようなコンセプトが強まっていった。 本誌で1980年代にコラムを連載し、2014年に本誌を回顧した著書『オリーブの罠』を執筆した酒井順子は、休刊になった原因として「ギャル文化に駆逐された」「わかりやすくて大衆に受け入れられやすいヤンキー文化に、『オリーブ』の清くて知的な文化は呑み込まれてしまった」と分析している。
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