獲物や藻類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 14:24 UTC 版)
食虫器の中から見つかっているのは多様な土壌性の微小動物であり、以下のようなものが含まれる。 甲殻類・土壌性のダニ・線虫・原生動物 更に、植物園で栽培されたものについてその捕虫器内に捕らわれた生物を調べた結果では単細胞生物で細菌類・繊毛虫・鞭毛虫・藻類、多細胞動物では線虫・ワムシ・環形動物・クマムシ、それに節足動物の甲殻類とダニ類が発見された。特にワムシと線虫が多く、時に捕虫嚢の中がいっぱいになるような動物が入っていた。 これらの獲物が何らかの誘因作用によって自ら捕虫器に入るのか、それとも偶然に迷い込むだけであるのかについては、いくつかの説があるが、判断は付いていない。例えば土壌中は酸素が不足の環境にあり、その中で捕虫器内が相対的に酸素の多い状態にすることで微小動物を誘引しているとする説があり、これに対しては、本属のものが通常の土壌より遙かに水気の多い場に生育し、そこでは土壌中の水の移動もより盛んだと見られることから、そもそも酸素不足の環境ではないとの異論が出ている。 微小藻類については、Plachno & Wolowski(2008)はG. pygmaeaとG. repensの捕虫器から藍藻類や珪藻、黄金色藻類など多くの群に跨って27の分類群の藻類を発見した。それらは捕虫器の周囲の環境にも存在するものであり、運動性のものは自ら泳いで入り込んだものもあり、また甲殻類やダニに持ち込まれたものもあると思われる。元来食虫植物は肥料分が少ない環境でそれを得るために動物を捕獲し、分解するものであり、捕虫器の内部は肥料分が多い。このような藻類はそれを求め、食虫植物とは競争関係にある可能性が示唆されているが、詳しい研究は未だに行われていない。
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