独立した言語としての「沖縄語」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 14:45 UTC 版)
「沖縄語」の記事における「独立した言語としての「沖縄語」」の解説
2009年2月19日にユネスコが発表した調査結果によると、世界で約2500の言語が消滅の危機にあるとし、日本の南西諸島における諸言語もその対象となった。この中で沖縄語(沖縄方言)は、「奄美語」・「国頭語」・「宮古語」・「八重山語」・「与那国語」とともに、それぞれ独立した1個の言語「沖縄語」とみなされた。 ユネスコの担当者は、「これらの言語が日本で方言として扱われているのは認識しているが、国際的な基準だと独立の言語と扱うのが妥当と考えた」という。これを受けて参議院議員である糸数慶子は、「ユネスコが独立した言語とした8言語は、言語なのか、方言なのか」など、7項目を「沖縄の言語に関する質問主意書」として政府に提出した。この質問に対し政府は、我が国で最も普通に使われている言語が「日本語」であり、地方で共通的に用いられる言葉が「方言」とされるとの見解を示した上で、「『言語』及び『方言』の用語は、様々な意味を有するものと承知しており、お尋ねに一概にお答えすることは困難である」とした。 キリスト教信仰に基づく少数言語のための組織である国際SILが出版しているエスノローグによると、日本で使われている言語として日本語、アイヌ語、朝鮮語とともに、「中央沖縄語(Okinawan, Central)」が挙げられているが、エスノローグでは言語学者や一般の人の理解と異なる分類を載せることがあり、日本国内では、中央沖縄語の呼称は使われない。この他にも、南西諸島における言語として、喜界語・北奄美語・南奄美語・徳之島語・沖永良部語・与論語・国頭語・宮古語・八重山語・与那国語といった言語を多く挙げているが、これらの言語は琉球語の諸方言とみなされている。また、国際SIL自体も方言であるとの意見を排除しないと表明している。2007年に沖縄周辺地域の語として沖縄島中央「ryu」、与那国島「yoi」、徳之島「tkn」など計11種がISO 639-3として言語コードに追加された。
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