照葉樹林文化論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:59 UTC 版)
詳細は「照葉樹林文化論」を参照 照葉樹林文化論は、植物学者の中尾佐助、文化人類学者の佐々木高明らによって提唱された概念で、様々なヴァリアントを持つが、その骨子は、雲南・チベットから華南(長江流域)、台湾を経て日本の南西部に広がる照葉樹林帯に共通の文化要素が多くあり、これらが共通の起源をもつのではないかという仮説である。その議論のなかで中尾は「稲作文化」を「雑穀文化(サバンナ農耕文化)の一部」とし、照葉樹林地域の農耕文化はマレー半島で発生したウビ(里芋、長芋)農耕文化の上に、ニジェール川流域で発生し伝播した先のインドで移植栽培と「新種」の稲を得て東アジアに浸透した雑穀文化が乗った物ではないかと論じた。また佐々木はこの地域が穀物におけるモチ性品種や焼畑農業、漆器製作などの文化要素を共有していると指摘した。 この説は一時ジャーナリズムでも盛んに取り上げられ、一時は大きな影響力を持った。しかし考古学・歴史学・植物学などからの反論も多く、特に2000年代に入ってから、「栄養生殖による栽培植物から発生した」という説を唱えるイネ研究の池橋宏により中尾の稲作起源論は厳しく批判され、議論となっている。
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