無明逆流れとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 漫画 > 漫画作品 > 漫画作品 む > 無明逆流れの意味・解説 

無明逆流れ

作者南条範夫

収載図書妙・絶妙・秘剣列伝
出版社ベネッセコーポレーション
刊行年月1995.9
シリーズ名福武文庫


無明逆流れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 06:37 UTC 版)

無明逆流れ』(むみょうさかながれ)は、南條範夫の連作時代小説短編集『駿河城御前試合』の一篇「無明逆流れ」を漫画化した、とみ新蔵劇画作品。1967年発表。

山口貴由の『シグルイ』と原作を同とする。

あらすじ

寛永6年、後に寛永御前試合として知られる11組の真剣試合が、駿府城で行なわれた。中でも第1試合は壮烈を極めるものであったという。

対戦者2名が試合場に現れた時、観客は驚きの声を上げた。なぜなら、東側の幕から現れた男は容姿端麗ながらも両目が盲いており、西側の幕から現れた男は左手の腕が付け根からなかったのである。西側の男の眼が、異様なほどの殺意と憎悪に光った……。

原作・シグルイとの違い

約210ページの短編作品であり、大胆な脚色により長編作品となった『シグルイ』と比べると、原作に近い内容となっている。

原作・『シグルイ』との主な違いとしては、まず、いくと清玄が惹かれあうようになったエピソードが追加されていることが挙げられる。暴漢に襲われそうになったいくを清玄が助けた時から互いに惹かれており、虎眼に悪いと感じながらも隠れて逢引を行なっていた、という背景が説明されているが、これは原作にはない。

また、清玄が盲目となり、虎眼流道場へ討ち入りを行なうようになるまでの経過も異なっている。 シグルイでは、いくと清玄は二人とも一旦飛騨の山奥に匿われた後再起を図るが、本作では清玄は放逐された後、失意のうちに各地を点々としており、それをいくが探し出して再起を促すという流れになっている(原作ではこの間の描写そのものがない)。また、同棲を始めて以降は、いくが仕立ての仕事を行なって生計を立てていることがわかる。

さらに、本作の清玄は、理不尽な殺され方をした按摩の弔いのために山賊を倒すエピソードが追加されたり、いくへ純粋な感謝の気持ちや愛の心を向けていることが描写されるなど、『シグルイ』で見られる人間離れし、怪人然とした人物像の清玄とは異なり、正義感があって人間的な感情を持った人物として描かれている。

最も原作・『シグルイ』と異なる要素は、清玄に成敗されて復讐を誓った元山賊頭、黒伏甚内の存在である。前述の按摩の弔い勝負の際、両腕を切られて不具の身の上にされた黒伏は、それを恨みに思って伊良子を暗殺する機会を窺っているという人物であり、原作では特に説明されていなかった徳川忠長の家来の馬が暴走するエピソード(『シグルイ』には存在しない)では、黒伏が裏で関わっていたことが判明する他、藤木に打倒伊良子のヒントを与えるなど、重要な役割を担った人物となっている。

藤木と三重の関係も原作に対し、より突っ込んで描かれており、藤木は三重に夜這いを敢行するような(『シグルイ』では贈り物を渡しに行っただけである)、より情熱的な人物として描かれている。

『シグルイ』に影響を与えたと考えられるエピソードも存在する。駿府城家老の三枝(『シグルイ』では掛川藩目付の柳沢頼母)に伊良子仇討ちの申請に行った際、剣の腕前を披露するが、この際「正座の姿勢から一気に飛び上がり、空中で回転しながら屋敷の天井の桟(横木)を剣で切り取り、再び正座で着地する」という技を見せている。『シグルイ』では、これが桟ではなく真後ろに居た人間である。原作には、このようなシーンは存在しない。

なお、原作の「剣士凡て斃る」の一篇は本作に存在しないため、小村との因縁や笹原との対決のエピソードはない。黒伏との二人きりの会話の後、藤木が去っていく場面で幕が降ろされている。


無明逆流れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/08 00:25 UTC 版)

駿河城御前試合」の記事における「無明逆流れ」の解説

第1試合見物者を大い驚かせた。西側から現れ剣士藤木源之助は、左腕つけ根から先が無かった。それに付き添うのは20歳位の美女三重一方東側剣士伊良子清玄右足引きずるだけでなく盲人だった。そして、彼に年増ながらも凄艶な美女・いくが付き添っていた。だが、周囲がさらに驚いたのは清玄異形構えだった。それは盲人地面突き立てるように、剣を突き立て、跛足の指で挟むという奇怪な構えだった。それはあらゆる流派見た事も聞いた事もない構えであり、これこそ、城下でも評判の無明逆流れという秘剣だった。対峙する2人剣士、そしてそれを見守る2人の女、この4名には逃れられ因縁があった。 伊良子清玄(いらこ せいげん盲目跛足の美剣士。御前試合時点で齢30余りかつては岩本虎眼門下師範代で、「一虎双竜」の1人謳われていた。剣風は俊敏軽捷両目岩本虎眼に斬られて盲目となり、また牛股権左衛門との対決の際に右足負傷し以来歩行が不自由となっている。 藤木源之助(ふじき げんのすけ隻腕剣士御前試合時点年齢278歳均整のとれた顔貌をしている。岩本虎眼門下師範代で、「一虎双竜」と呼ばれた1人伊良子と立会った際に左腕を失う。 岩本虎眼(いわもと こがん) 濃尾一帯に名の聞こえた無双達人伊良子や藤木の剣の師。「鬼眼」と恐れられる眼は、見据えた相手金縛りにする。 牛股権左衛門(うしまた ごんざえもん) 岩本虎眼門下師範代で、「一虎双竜」と呼ばれた1人。牛の如く巨大な体をした容貌魁偉偉丈夫三重(みえ) 岩本虎眼一人娘清楚な美女。 いく 岩本虎眼愛妾妖艶な年増女。虎眼が妻の死後抱えた何人もの妾の1人で、元は松阪商家娘。

※この「無明逆流れ」の解説は、「駿河城御前試合」の解説の一部です。
「無明逆流れ」を含む「駿河城御前試合」の記事については、「駿河城御前試合」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「無明逆流れ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「無明逆流れ」の関連用語

無明逆流れのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



無明逆流れのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの無明逆流れ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの駿河城御前試合 (改訂履歴)、シグルイ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS