無人哨戒機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 09:15 UTC 版)
広大な海洋を監視する固定翼哨戒機は任務時間が長く乗員の負担が多いものの、低速で激しい挙動も無く多少のタイムラグは許容できるため導入するメリットが大きい。要求性能は偵察機と似通っているため、偵察型に防錆加工を施しただけの機種もある。 アメリカ海軍では有人哨戒機(P-8)の監視を補完する洋上監視機(MQ-4C)を配備しており、海面付近を長時間飛行するなど危険性の多い任務を担当している。P-8にはMQ-4Cから転送された映像監視のため専門の乗員が搭乗している。 1960年代には艦載ヘリコプターの代用として、遠隔操作できる小型ヘリコプターに爆雷を搭載した対潜ヘリコプター(QH-50 DASH)が運用されていた。これらは積載量が少ないため汎用性に乏しく信頼性も低かった。このため小型ながら多彩な任務に対応できる有人機によるLAMPS(軽空中多目的システム)に移行した。 2000年代に入り制御技術やエンジンの性能が向上したことで、シーベル カムコプター S-100のような小型の哨戒ヘリコプターが実用化している。これらは格納庫の制限で有人機が1機しか運用できない艦船にも改装無しで追加搭載できるサイズであり、海軍や沿岸警備隊で採用が始まっている。S-100は小型のミサイルを搭載することも可能であり、海軍では武装哨戒ヘリコプターとしての採用もある。 飛行甲板を有しない小型艦船や潜水艦でも手投げ式の小型機や民生品のマルチコプターは持ち込めるため、船体の調査や周囲の監視など補助的な用途に使われている。
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