火を使っていた可能性のある時代(前期旧石器時代)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:04 UTC 版)
「初期のヒト属による火の利用」の記事における「火を使っていた可能性のある時代(前期旧石器時代)」の解説
バリンゴ湖 スワートクランス ポーク・エピック ガデブ 関係地図 前期旧石器時代の遺跡から、単発的に火を用いたヒト属がいたことを暗示する遺物が見つかっている。例えば東アフリカの一部、ケニアのバリンゴ湖付近にあるチェソワンジャや、コービ・フォラ、オロロゲサイリ(英語版)には、初期の人類が火を使っていたと思われる跡がある。チェソワンジャからは142万年前の赤粘土製の土器のようなものが見つかっている。これが土器であれば、作るために400℃の加熱が必要だったと考えられている。コービ・フォラのFxJjzoE遺跡及びFxJj50遺跡の150万年前の地層からはホモ・エレクトスの遺骨と共に変色した土壌が見つかっており、ここには植物の珪酸体も含まれている。ここで200から400℃の加熱がされていたと見られる。オロロゲサイリでは炉とも思われる窪みが見つかっている。この他、炭の微細片も見つかっているが、これも人類と無関係に自然に発生する場合がある。 エチオピアのガデブ(英語版)でも凝灰岩の破片があって、火を使った跡と見ることもできるが、火山活動によるものとの可能性も捨てきれない。これらはホモ・エレクトスによるアシュール文化の跡とも思われる。中部アワシュ(英語版)の河川沿いの村では、200℃で焼かれたと見られる円錐型の赤みの粘土が見つかっている。ここからは焼けた木の一部も見つかっている。アワシュ渓谷でも強く加熱された石が見つかっているが、これは火山活動によるものとも考えられている。ディレ・ダワ近郊のポーク・エピック(Porc Epic)でも火を使った跡が見つかっている。 南アフリカ共和国のスワートクランス(英語版)でも火を使ったような跡が見つかっており、150万から100万年前のものと見られる:88。見つかった動物の焼けた骨のいくつかは、アシュール石器、骨角器、明らかに人が切った跡を残した骨などと共に見つかっている。ここにいたのもホモ・エレクトスと考えられている。ただし、見つかった骨が当時の人に焼かれたものであるとの決定的な証拠は無い。
※この「火を使っていた可能性のある時代(前期旧石器時代)」の解説は、「初期のヒト属による火の利用」の解説の一部です。
「火を使っていた可能性のある時代(前期旧石器時代)」を含む「初期のヒト属による火の利用」の記事については、「初期のヒト属による火の利用」の概要を参照ください。
- 火を使っていた可能性のある時代のページへのリンク