渋さと美
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 18:37 UTC 版)
渋さは、日本の美意識の1つとして人や物の表現に使用されている。美意識における「渋さの美」について、柳宗悦は以下のように説明している。 「渋さは奥に「空」の美が宿る。だから無地をしばしば尊しとした。「茶」の茶碗は好んで無地を選んだ。情緒が深まれば必然にそこに帰るのである。たとえ絵付があっても簡素である。「絵唐津」が好まれたのは、絵を無に近いまで静にされてあるからである。」 — 柳 宗悦 「渋さの美」『工芸文化』文芸春秋社 1942年 p.221 渋さは日本庭園あるいは日本式庭園の基調を表現するものでもあり、柳宗悦は焼き物、染織、漆器、木竹工など「用の美」の表現に使用している。 現代ではデザインの概念の説明にも使用されており、吉岡徹・市原茂によると、江戸時代の美意識の1つである「粋」の現代の女子大生のイメージには「渋み」の感覚があるという。色彩の表現においても「渋さ」は用いられており、一般に「渋い色」といった場合は彩度の低い色や明度の低い色、もしくはその両方が低い色を指す。 日本の芸術家である岡本太郎は「渋み」について執筆しており、音楽界では、音楽の概念の表現に「渋さ」が使用されている。最近のバンドの名前の一部に使用しているグループがあり、「渋さ知らズオーケストラ」がある。
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